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中国が台湾製樹脂にAD関税、頼・次期政権に圧力か【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース 石油・化学 作成日:2024年4月22日_記事番号:T00114885

中国が台湾製樹脂にAD関税、頼・次期政権に圧力か【図表】(トップニュース)/台湾

 中国の商務部は19日、台湾から輸入するポリカーボネート樹脂(PC樹脂)にダンピング(不当廉売)があり、中国のPC樹脂業界に損害の事実が認められるとして、20日から5年間、最高22.4%の反ダンピング(AD)関税を適用すると発表した。ポリカーボネートは、中台の自由貿易協定(FTA)に相当する両岸(中台)間の海峡両岸経済協力枠組み協定(ECFA、エクファ)のアーリーハーベスト(特定品目の早期関税引き下げ措置、EH)対象品目で、5月20日の就任を控えた頼清徳・次期総統(民進党)に対する圧力とみられている。20日付経済日報などが報じた。

/date/2024/04/22/00lai_2.jpg頼・次期総統(19日=中央社)

 台湾化学繊維(フォルモサ・ケミカルズ&ファイバー、台化)と台湾出光石油化学(出光ケミカルズ台湾)が9.0%、奇美実業と奇菱科技(チーリン・テクノロジー)が12.2%に引き下げられた以外は、22.4%が適用される。

/date/2024/04/22/300ad_2.jpg

 中国の商務部は22年11月30日に台湾製ポリカーボネートに対するAD調査を開始し、調査期間は5月29日までの予定だったが、決定が早まった。

 台湾の税関の統計によると、ポリカーボネートの中国向け23年輸出額は8億3000万米ドルで、ポリカーボネート輸出全体の78.5%を占めた。主に▽電子機器、▽薄膜や板、▽自動車、▽光学製品、▽包装、▽医療機器、▽保安・安全製品──などに使用されている。

中間線を形骸化

 19日には、中国民用航空局が、台湾と中国の事実上の停戦ラインとされる台湾海峡の中間線のすぐ西側を通る民間機航路「M503」の南下コースに接続する、福建省福州市からの航路「W122」とアモイからの「W123」の東行(中国から台湾側へ飛行する)コースの運用を開始したとも発表した。19日から1日6便、飛行する。

 台湾の交通部民用航空局(民航局)は18日に中国当局から通知を受けた。W122は馬祖列島(連江県)から最短2.8カイリ(約5.19キロメートル)、W123は金門県の離島から最短1.1カイリ(約2.04キロ)の距離で、飛行の安全に深刻な影響を及ぼす一方的な変更だとして、厳正に抗議した。

 中国の国務院台湾事務弁公室(国台弁)は、航空機の増便への対応で、両岸(中台)の同胞にとって利があると説明した。 

 中国民用航空局は今年1月30日、2月1日からM503の南下コースを現在の運行ルートから台湾側へ6カイリ(約11キロメートル)ずらすほか、W122、W123の東行コースの使用を開始すると発表していたが、時期は未定だった。台湾海峡の中間線を形骸化する狙いとみられている。

 

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