ニュース 政治 作成日:2024年7月22日_記事番号:T00116529
台湾有事中国軍の台湾侵攻を想定した台湾軍の定例の大規模軍事演習「漢光演習」がきょう22日から26日まで行われる。頼清徳・総統の5月20日就任で中国の圧力が強まる中、例年行っていた予行演習やデモンストレーション訓練は実施せず、シナリオのない実戦的な訓練を行う。桃園国際空港や台北松山空港、台北都市交通システム(MRT)など、重要インフラ施設で防衛訓練を行うほか、中国軍による囲い込みを想定し、東部の花蓮港で物資の引き渡し訓練を数年ぶりに実施する。ロシアのウクライナ侵攻での国際的な情報発信力の重要性を踏まえ、国防部初のAI(人工知能)バーチャルアナウンサーを導入し、中国語や日本語、英語など18言語で情報発信を行う。22日付中国時報などが報じた。
22日早朝、西部の空軍基地のF16戦闘機などが台東県の志航基地に移動した(22日=中央社)
国防部は、今年の演習は実戦の状況に近づけ、指揮系統が断絶し、各部隊の指揮官がそれぞれの交戦規定(ROE)に基づき、独立して作戦の判断を行うほか、深夜にわたる夜間訓練などが訓練の重点になると説明した。従来は演習で「中国軍役」を務めていた海軍陸戦隊なども今年は自身の防衛任務に就く。
梅家樹・参謀総長は、実戦では昼夜を問わず一連の対応が求められるので、項目ごとの形式的な防衛訓練にならないようにすると語った。仮に有事となれば、台湾は自分の領土で行う守勢作戦となり、実地での訓練が重要だと語った。
きょう22日は、予備役や車両の動員、重要インフラ施設の防衛が実施される。国防部憲兵指揮部は、午後11時から翌日午前2時まで、新北市の板橋区と万華区を結ぶ華翠大橋で、守備作戦の訓練を行う。哨戒所などを設置し、車両は単線双方向通行となる。
23日は台北港、花蓮県の和平港、台北松山空港、24日は桃園国際空港で敵軍の侵入を阻止する訓練を行う。25日は、総統府など中央政府官庁が集中する台北市博愛警備管制区(通称・博愛特区)周辺のMRT駅で、政府首脳などを排除し、指揮系統を麻痺させるいわゆる「斬首作戦」の防衛訓練を実施する計画だ。
漢光演習に向け、陸軍花東防衛指揮部は18日、一般道路で実地訓練を行った(18日=中央社)
海外への情報発信を強化
情報筋によると、今年の演習で台湾軍は初めて各作戦エリアに戦場記者を2人派遣し、実地の状況を報道する計画だ。ロシアのウクライナ侵攻の経験から、迅速で正確な国際的な情報発信を重視しており、18言語の報道が可能なバーチャルアナウンサーも初めて導入する。
市民が空襲などの緊急事態発生時に対応できるよう毎年実施している防空演習「万安」もきょう22日から25日の午後1時半〜2時に、中部、北部、東部と離島、南部の順に実施する。
【セミナー情報です】
日本人向けワイズ経営塾、台湾新任編で、経営の基礎と、台湾のビジネス環境を学びませんか?経営者が知っておくべき法律や在台日系企業の給与事情もご紹介します。9月24日開講。
検索は「ワイズ経営塾、9月24日」。
【セミナー情報の詳細はこちら】
https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/111170.html
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722