ニュース 社会 作成日:2024年7月25日_記事番号:T00116622
強烈な(日本では非常に強い〜猛烈な強さに相当)台風3号(アジア名・ケーミー)は25日午前0時ごろ、宜蘭県から台湾に上陸した後、中度(日本では強い~非常に強いに相当)に勢力を弱め、台湾北部を横断、午前4時過ぎ、台湾海峡に抜けた。台風上陸は、2016年7月の台風1号(アジア名・ニパルタック)以来、8年ぶり。台湾全土がほぼ暴風域に入り、24日は21県市、25日は全22県市が公共機関・学校を休みとする「停班停課」措置を取った。25日午前8時時点の統計で、豪雨や強風で街路樹が倒れたり、建物の壁が剥がれ落ち、2人が死亡、279人が負傷した。25日夜にも暴風域を抜けるものの、中南部など各地で激しい雨と強風が続く見通しで、警戒が必要だ。中央社電などが伝えた。
花蓮県花蓮市中興路で24日午後、建物の壁が剥がれ落ち、停車中の車に直撃した(24日=中央社)
中央災害応変中心(災害対応センター)によると、高雄市鳳山区で24日正午ごろ、強風で倒れた街路樹の下敷きとなり、バイクで移動中の女性(65歳)が死亡した。花蓮県花蓮市中興路では、建物のパラペット(手すり壁)が剥がれ落ち、停車中の車に直撃、後部座席の女性(45歳)が死亡、男児(7歳)は意識不明の重体だ。
このほか、高雄市旗山区新光里で25日、土石流で自宅が流され、高齢夫婦2人が巻き込まれた。1人は今も生き埋めになっているようだ。
台風3号の25日午前9時時点の進路予想図。上陸からわずか4時間で台湾海峡に抜けた(中央気象署)
中央交通部中央気象署(CWA)は午後2時時点で、台中市などの山間部や台南市、高雄市など9県市に超大豪雨(24時間当たりの降水量500ミリメートル以上)特報を発令している。苗栗県と彰化県は大豪雨(24時間当たりの降水量350ミリ以上、または3時間当たり200ミリ以上)特報、新竹県、宜蘭県、花蓮県などは豪雨(24時間当たりの降水量200ミリ以上、または3時間当たり100ミリ以上)特報、新北市、桃園市、新竹市など北部などは大雨(24時間当たりの降水量80ミリ以上、または1時間当たり40ミリ以上)特報を発令している。
倒木2000件以上
25日午前8時時点の統計で、被害報告は4511件で、うち街路樹の倒木などが2224件で高雄市や台北市に多かった。電柱などインフラが1013件、建物の損壊が345件、広告看板が305件。
台北市と南投県では、橋の損傷が4件報告された。土砂災害は23件で、宜蘭県、雲林県、新竹県が多かった。
台北市や新北市、宜蘭県、花蓮県など14県市で、土砂災害などの恐れがあるとして、8569人が避難した。太魯閣(タロコ)国家公園がある花蓮県秀林郷などでは1000人近くが避難した。
高雄市で冠水
台湾電力(台電、TPC)によると、停電は25日午後3時時点で延べ70万8515戸、うち8万8593戸がまだ復旧していない。
台中市和平区梨山では、落石で水道管が塞がれ、495戸が断水した。
中南部では25日も豪雨が続き、高雄市中心部を流れる河川、愛河の水があふれ、塩埕区や三民区などで道路が冠水した(25日=中央社)
嘉義県では、25日未明、台南市との境を流れる河川、八掌渓の水が氾濫し、水上郷や鹿草郷などの住民が一時取り残された。住民は救助された。
高雄市では25日、多くの場所で道路の冠水や住宅の浸水が発生した。田寮区の一部では112センチメートルまで浸水した。25日午前、鼓山区の高雄市立美術館近くの高級住宅街も道路が冠水し、まるで黄河のようになった。高雄市旗山区は、浄水場が浸水し、断水した。水道管理局、台湾自来水(台湾ウオーター)によると、復旧はあす26日正午の見通しだ。鳳山区と大寮区でも停電の影響で断水しており、25日午後5時半に復旧する見通しだ。
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