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TSMCの1.6ナノ、米国工場も将来的に導入意欲(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2024年7月30日_記事番号:T00116693

TSMCの1.6ナノ、米国工場も将来的に導入意欲(トップニュース)/台湾

 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の張暁強(ケビン・ジャン)副共同営運長(共同最高執行責任者、Co-COO)は、ハイテク業界情報に特化したYouTube(ユーチューブ)チャンネル「TechTechPotato」の約30分間のインタビューで、1.6ナノメートル製造プロセスに相当する「TSMC A16」は2026年下半期(7〜12月)に台湾で量産を開始した後、米国アリゾナ州で計画する第3工場でも導入する可能性を示した。「ナノ(N)」時代に続く、いわゆる「オングストローム(Å、0.1ナノメートルを示す単位)」時代だ。北米はTSMCの大口顧客が集中している。地政学リスクへの対応で、顧客の受注獲得が有利になるとみられている。30日付経済日報などが報じた。

/date/2024/07/30/00tsmc_chang_2.jpg張・副共同COOは、「顧客の成功をサポートしてこそ、われわれも成功する」と、TSMCの魏哲家(シーシー・ウェイ)董事長の言葉を引用した(TSMC提供)

 TSMCの公式サイトによると、TSMC A16はナノシート構造のトランジスタとバックサイド・パワーレール(裏面電源配線)を採用。2ナノメートル製造プロセス「N2P」より処理速度が8~10%向上し、消費電力が15~20%低減する。チップの密度は2.1倍に高まる。

 米国アリゾナ州の第1工場は、来年4ナノの量産を始める予定で、第2工場、第3工場と拡張する計画だ。張・共同COOは、米国で、4ナノから3ナノに移行した後、将来的には2ナノ以降、A16も採用したいと語った。

「微細化は続く」

 先進パッケージング(封止)技術については、TSMCは米国の生産能力拡大について顧客と協議していると語った。将来的には他の国・地域にも広げる可能性がある。

 「ムーアの法則(半導体の集積密度は18~24カ月で倍増する)は死んだ」との見方について問われ、張・共同COOは、業界は現在、イノベーションブームで、パッケージングなどさまざまな方法で多くの機能を小さなチップに組み込もうと努力していると語った。より高い性能でより高い効率のチップを作るという観点では、ムーアの法則は今後も続くと語った。

 次世代の高NA(開口数)「High-NA」極端紫外線(EUV)露光装置について張・共同COOは、コストや拡張性などのデメリットも考慮し、決定すると語った。

 TSMCは業界で初めて7ナノで、EUV露光装置での生産を開始した。業界では、韓国のサムスン電子とインテルがTSMCより先に高NA EUV露光装置を導入し、TSMCを追い抜く狙いとみられる。高NA EUV露光装置の価格は3億8000万ユーロ(約630億円)とみられ、従来のEUV露光装置の2倍以上だ。

 業界では、高NA EUV露光装置は高額で、早く導入した方がリードできるとは限らず、TSMCは高NA EUV露光装置の調達を急がずに、着実に先進プロセスを進める考えとみられている。

熊本工場、年内量産へ

 一方、日本と欧州の工場は特殊プロセスで生産する。日本の熊本工場は今年下半期(7〜12月)には量産できると語った。欧州では最先端の車載用マイクロコントローラー(MCU)組み込みシステム関連を生産すると説明した。

 

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