ニュース 自動車・二輪車 作成日:2024年7月31日_記事番号:T00116715
経済部は30日、あす8月1日以降、中国ブランドや中国企業に買収された海外ブランドなど、いわゆる中国車を台湾で販売する場合、今年発売の新車は台湾生産比率15%以上、2023年までに発売した車種は台湾生産比率20%以上を義務付けると発表した。台湾生産比率35%まで段階的に引き上げる。経済部は、中国からの完成車やシャーシの輸入を認めていないが、中国の安価な部品を輸入して台湾で組み立て、台湾生産車として販売することが、台湾の部品メーカーに深刻な打撃を与えるためと説明した。現在、中国の上海汽車集団が買収した英国のMG車を、中華汽車工業(チャイナ・モーター、CMC)が台湾で生産販売している。31日付経済日報が報じた。
いわゆる中国車の定義は、▽中国企業と海外ブランドとの合弁、▽中国企業に買収された海外ブランド、▽中国生産の海外ブランド、▽中国ブランド──の車種で、ガソリン車や電気自動車(EV)などいずれも対象だ。
台湾生産比率の規定は、今年発売の中国車の場合、▽15%(24年8月~25年7月末)、▽25%(25年8月~26年7月末)、▽35%(26年8月以降)──と段階的に引き上げられる。23年までに発売された中国車の場合は、▽20%、▽30%、▽35%──。
経済部によると、台湾の自動車産業の生産額は2030億台湾元(約9400億円)、自動車部品産業は3060億元。新車販売台数は年間45万台で、うち台湾生産車が25万台、輸入車が20万台。台湾市場は規模が小さく、中国からの完成車とシャーシの輸入は認めていないが、中国からの自動車部品の輸入は規制していない。
MGマクサス導入に懸念
中華汽車は2022年から、中国から部品を輸入して台湾で組み立て、MG車を販売しており、販売実績は好調だ。王世堅・立法委員(民進党)は、中国から部品の95%を輸入し、台湾で組み立て、台湾生産車を名乗って販売しているのは、不公平な競争だと指摘した。
中華汽車は9月に、MGの商用車、Maxus(マクサス)を発売すると発表していた。このほか、中国の吉利汽車や奇瑞汽車(チェリーオートモービル)、EV大手の比亜迪(BYD)の車が台湾に導入されるとのうわさが浮上していた。台湾生産比率の規制導入で、発売の可能性が低下したとみられている。
トヨタ、台湾生産比率70%以上
経済部は、中国車の台湾生産比率規制で、公平な競争を維持し、台湾生産車と部品メーカーの競争力が高まると予想した。台湾の自動車大手6社の台湾生産比率は30〜78%と指摘した。和泰汽車が販売するトヨタの人気車種は70%以上といわれている。
自動車業界関係者は、自動車の台湾生産は認証試験が必要なので、台湾生産比率の規制導入までに、移行期間を設けてほしいと語った。海外ブランド車を台湾で生産するとなると、生産ライン1本で10億元かかり、価格競争力がなくなるためだ。
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