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TSMCがイノラックス南科工場購入、CoWoS拡大か【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2024年8月16日_記事番号:T00117009

TSMCがイノラックス南科工場購入、CoWoS拡大か【図表】(トップニュース)/台湾

 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は15日、液晶パネル大手、群創光電(イノラックス)の南部科学園区(南科)の第4工場(台南市新市区)を171億4000万台湾元(約790億円)で購入すると発表した。南科嘉義園区(嘉義県太保市)で一部工場の建設工事が滞る中、11月に南科第4工場の引き渡しを受け、来年第1四半期(1~3月)に設備を搬入し、人工知能(AI)半導体向け先進パッケージング(封止)技術、チップ・オン・ウエハー・オン・サブストレート(CoWoS、コワース)に充てるようだ。16日付聯合報によると、TSMCは続いてイノラックスの南科第5工場も取得し、ファンアウト・パネルレベルパッケージング(FOPLP)で提携するとの見方も出ている。

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 イノラックスの南科第4工場は、面積31万7400平方メートル(約9万6000坪)。第5.5世代ガラス基板で、主にノートパソコンやモニター用パネルを生産していたが、昨年末に閉鎖した。TSMCのほか、米メモリー大手、マイクロン・テクノロジーなども工場取得を狙っていたようだ。

 設備業者は、CoWoSの供給逼迫(ひっぱく)が長引く中、TSMCは、今年5月末に南科嘉義園区で先進封止工場(P1)の建設工事中に遺跡のようなものが見つかり、作業が停止していることから、先に2基目(P2)の建設工事を進めつつ、南科工場も購入したと推測した。

 TSMCのCoWoSは、23年の年産能力12万枚から、今年は月産能力4万枚に拡大すると予測されている。グラフィックスプロセッサー(GPU)大手、米エヌビディアが大口顧客で4~5割を確保しており、25年に月産能力6万枚、26年に月産能力7万〜8万枚に増加する見通しだ。アップルは、TSMCの先進封止、集積ファンアウト(InFO)の大口顧客だ。

FOPLPで提携か

 16日付聯合報によると、TSMCはイノラックスと工場2基を購入することを協議し、南科第4工場に続き、南科第5工場を購入するとみられている。

 半導体業界関係者は、TSMCの研究開発(R&D)チームがイノラックスと面会しており、両社はFOPLPで提携する可能性があると指摘した。市場調査会社、集邦科技(トレンドフォース)によると、イノラックスはFOPLPで先行しており、早ければ今年下半期(7~12月)に量産を開始すると予想されている。

CPO需要を視野

 TSMCは今年4月に、シリコンフォトニクス(SiPh)技術「COUPE(コンパクト・ユニバーサル・フォトニック・エンジン)」を研究開発しており、26年にCoWoSを統合したコパッケージド・オプティクス(CPO)を導入する計画だと説明していた。

 証券会社は、TSMCのCoWoS生産能力拡大は、将来CPO需要が視野にあると指摘した。主にデータセンター向けで、世界のシリコンフォトニクスダイ(微小なチップ)市場は年平均成長率(CAGR)50%と予想されている。

 

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