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Qisda傘下の鐳洋科技、小型人工衛星の打ち上げ成功(トップニュース)/台湾


ニュース その他製造 作成日:2024年8月20日_記事番号:T00117058

Qisda傘下の鐳洋科技、小型人工衛星の打ち上げ成功(トップニュース)/台湾

 電子機器受託メーカー、佳世達科技(Qisda)傘下でアンテナ設計・高周波(RF)測定などを手掛ける鐳洋科技(ラピッドテック・テクノロジーズ)は19日、台湾時間17日午前3時ごろ米国で、台湾の宇宙開発を推進する国家太空中心(国家宇宙センター、TASA)などと共同で開発した初の通信キューブサット(立方体の超小型人工衛星)「夜鷹号(ナイトジャー)」の打ち上げに成功したと発表した。衛星打ち上げ成功は、鴻海科技集団(フォックスコン)に続き、台湾のテクノロジーグループで2社目だ。衛星通信を利用したモノのインターネット(IoT)検証環境の構築に役立てる。20日付経済日報が報じた。

/date/2024/08/20/00space_2.jpgナイトジャーとトロは、スペースXのロケットに乗せて打ち上げられた(鐳洋科技フェイスブックより)

 ナイトジャーは米カリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙軍基地から、米スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)のロケット「ファルコン9」に乗せて打ち上げられた。大きさは3U(1U=10センチメートルの立方体)、重量は6キログラム以下で、地上590キロメートルの太陽同期軌道(SSO)に投入する。鐳洋科技が開発したKuバンド(周波数帯域12GHz〜18GHz)通信モジュールを搭載している。

/date/2024/08/20/00nightjar_2.jpg鐳洋科技のナイトジャー(TASAフェイスブックより)

 鐳洋科技は、ナイトジャーはTASAの衛星産業のスタートアップ育成計画、「新創追星計画」の一環で、国立中央大学と共同で開発し、通信衛星ペイロードの設計や研究開発(R&D)、衛星と地上間のIoT検証に貢献すると説明した。鐳洋科技の王奕翔・董事長は、今後、衛星と地上間の検証サービス提供も視野にあると語った。

/date/2024/08/20/00toro_2.jpgナイトジャーとトロは、スペースXのロケットに乗せて打ち上げられた(鐳洋科技フェイスブックより)

 鐳洋科技は2015年に設立し、23年Qisdaが3億2000万台湾元(約14億7000万円)を出資した。

 TASAの新創追星計画の一つとしてほかに、衛星の地上局や海事用アンテナの製造を手掛ける芳興科技(パイラス・テクノロジー)のリモートセンシングキューブサット、「信天翁(トロ)」も同日、打ち上げに成功した。

金仁宝集団も参入準備

 TASA新創追星キューブサット計画の陳嘉瑞・プロジェクトリーダーは、キューブサットは体積が小さく、重量も軽いため、実験衛星として宇宙環境で正常に作動するかを検証することができ、宇宙ビジネス参入の初期に適していると説明した。9月には、東京大学と共同で開発した6Uサイズのリモートセンシングキューブサット、「旺来(オンライ)」を打ち上げる予定だ。

 産業界では、鴻海やQisdaのほか、金仁宝集団(ニューキンポグループ、NKG)も参入を準備している。金仁宝集団のノートパソコン受託生産大手、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)は衛星のユーザーターミナルを手掛けている。

 

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