ニュース 電子 作成日:2024年8月28日_記事番号:T00117200
液晶パネル大手、友達光電(AUO)は27日、台南科技工業区のカラーフィルター(CF)工場3基と、子会社の友達晶材(AUOクリスタル)の中部科学園区(中科、中部サイエンスパーク)后里園区(后里パーク)の一部工場を、米メモリー大手、マイクロン・テクノロジーの台湾子会社に総額81億台湾元(約370億円)で売却すると発表した。今年末に引き渡す予定だ。またAUOは27日、半導体業界の国際展示会、国際半導体展(セミコン台湾、9月4〜6日開催)に出展すると発表した。最終赤字が2年以上続く中、単なるパネルメーカーから脱却し、ディスプレイのソリューション会社に転換を進める。28日付経済日報などが報じた。
AUOは、台南市の売却するカラーフィルター工場3基のうち、第5世代工場「C5D」と第6世代工場「C6C」は2023年8月に閉鎖したが、第4世代工場「C4A」は量産を続けており、マイクロンに売却後はAUOがリースバック方式で借りると説明した。
マイクロンに売却する台南工場3基は、土地の面積は8万7300平方メートルで、建物の面積が14万6000平方メートル。中科の工場は3万2500平方メートル。
マイクロンは、AUOと売買契約書(PSA)を締結済みで、購入する台南市の工場はウエハーのテスティング(検査)に使い、台中市や桃園市の工場のDRAM生産拡大を支援すると説明した。人工知能(AI)向けの超高速DRAM、HBM(高帯域幅メモリー)の生産拡大が目的と予想されている。
マイクロンは当初、液晶パネル大手、群創光電(イノラックス)の南部科学園区(南科、南部サイエンスパーク)の第4工場(台南市新市区)の取得を目指していたとされる。同工場はファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が今月15日、171億4000万元で購入すると発表した。
AUOとイノラックスの工場売却について業界関係者は、中国の液晶パネルメーカー、京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)やTCL華星光電技術(CSOT)などの台頭で、台湾のパネルメーカーは量では勝負にならない上、パネル価格は変動が激しいので、パネルだけに頼るリスクを低減するため、パネル工場の処分を進めていると分析した。
イノラックスは今年第2四半期に9四半期ぶりに黒字に転じたものの、AUOは22年第2四半期(4〜6月)以降、第2四半期まで赤字が続いている。
セミコン台湾に出展
AUOは27日、スマートサービス事業者として、9月4〜6日に台北南港展覧館(TaiNEX)で開催するセミコン台湾に出展すると発表した。イノラックスは、半導体のファンアウト・パネルレベルパッケージング(FOPLP)に参入し、昨年、セミコン台湾に初めて出展していた。
AUOの彭双浪(ポール・ポン)董事長はこれまで何度も、AUOは単なるパネルメーカーを脱却し、パネルを中心としたディスプレイのソリューション会社に転換すると説明している。AUOは、▽スマートモビリティー、▽バーティカル(業界特化型)ソリューション、▽ディスプレイ──を3本柱に、27年にパネル以外の売上構成比を50%以上に引き上げる目標だ。
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