ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

デルタ、アルプスアルパインのインダクター事業買収【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2024年8月30日_記事番号:T00117260

デルタ、アルプスアルパインのインダクター事業買収【図表】(トップニュース)/台湾

 電源装置大手、台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)は29日、日本と韓国の子会社を通じて、アルプスアルパイン(本社・東京都大田区、泉英男代表取締役社長CEO)と韓国子会社のパワーインダクター事業と粉末材料事業を7100万米ドルで買収すると発表した。9月下旬に契約を締結し、来年1月初旬に実行する予定だ。デルタは、アルプスアルパイン社独自の粉末材料に関する特許技術は、デバイスや機器のエネルギー効率を向上させる低電力損失パワーインダクターの開発に使用されていると指摘。買収により、データセンター、AI(人工知能)やハイパフォーマンス・コンピューティング(高性能計算、HPC)、電気自動車(EV)、スマートフォン、次世代情報通信技術(ICT)製品などへの受動部品の供給能力を強化すると説明した。30日付経済日報などが報じた。

/date/2024/08/30/300delta_2.jpg

 デルタは、アルプスアルパインのDDR DIMMなどの次世代半導体メモリー市場向け製品を含むパワーインダクターや、パワーインダクターに使用される磁性材料の研究開発(R&D)や製造、販売に関する事業(生産、研究開発設備、特許、知的財産を含む)を買収する。24年3月期の年間売上高は29億8800万円だった。買収完了後、日本と韓国の事業を統合する。

 デルタの鄭平・董事長兼執行長(CEO)は、デルタのパワーインダクター技術はAIサーバーやEV市場で多くの顧客に採用されており、アルプスアルパインはパワーインダクターや材料の分野の特許を保有していると指摘した。アルプスアルパインの粉末材料は、粉末の粒度が均一で、磁性部品の製造で損失率が低く、コストを削減できると説明した。この技術で、磁気損失が低く、高電流に耐えるインダクターの製造が可能となり、装置や設備のエネルギー効率が向上すると指摘した。

 アルプスアルパインの泉社長は、「過冷却液相領域を持つアモルファス材料」として特徴付けられる独自の磁性金属材料を有しており、この技術は高い飽和磁束密度でも低い鉄損を実現し、電子部品分野で貢献していると説明した。製品の応用分野には、AI、HPC、スマホ、ウエアラブル(装着型)端末、SSD(ソリッドステートドライブ)などが含まれる。

デルタグループの受動部品強化

 デルタは、電源の世界最大手メーカーだ。サーバー用電源では世界市場シェア50%以上、特にDC/DCコンバーター市場シェアは75%に上り、受動部品が鍵を握っている。傘下の受動部品メーカー、乾坤科技(シンテック)が独自のインダクター技術を保有しており、グラフィックスプロセッサー(GPU)大手、エヌビディアのAIチップ向けを独占受注している。

 

【セミナー情報です】
在台日系企業の経営改革を体験する!日本人経営者、経営幹部向け、ワイズ経営塾 経営実践編。合理的な経営意思決定の方法を学びたい方にオススメです。10月22日開講。
検索は「ワイズ、経営実践編」。
【セミナー情報の詳細はこちら】
https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/111179.html