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産業用電力料金、10月16日から平均12.5%値上げ【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース 公益 作成日:2024年10月1日_記事番号:T00117809

産業用電力料金、10月16日から平均12.5%値上げ【図表】(トップニュース)/台湾

 経済部は30日の電価費率審議会で、10月16日から台湾電力(台電、TPC)の産業用電力料金を平均12.5%引き上げ、1キロワット時(kWh)当たり平均4.29台湾元(約19.5円)とすることを決定した。うち半導体業やデータセンターなどは14%引き上げる。産業用電力料金の引き上げは過去3年で4回目で、対象は50万社以上。物価安定のため、食品業、スーパーマーケットや量販店、市場などの内需産業と、家庭用電力料金(計1452万戸)は据え置く。1日付経済日報が報じた。

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 産業用電力料金の引き上げ幅は、産業の回復度合いを反映した。2023年の電力使用量が前年より増加した▽半導体製造業、▽その他の電子部品製造業、▽光学機器・設備製造業──は14%引き上げる。

/date/2024/10/01/00tpc_2.jpg経済部は30日、電力使用量の増減は節電も影響するので、売上高や生産額も条件に入れたと説明した(30日=中央社)

 電力使用量が5%以上減少した、または生産額が15%以上減少した▽自動車部品製造業、▽プラスチック製品製造業、▽プラ・ゴム原料製造業、▽通信業、▽清掃サービス業──などは7%引き上げる。

 電力使用量が5%以上減少し、かつ生産額が15%以上減少した▽メモリー製造業、▽自転車・部品製造業、▽獣医業──などは据え置く。

 TPCの蔡志孟・副総裁は、食品加工業・食品小売業、スーパー、量販店、コンビニエンスストア、市場などは物価に影響するため据え置くと説明した。10月16日からの電力料金値上げは、今年の消費者物価指数(CPI)上昇率に0.03ポイント影響するとの試算を示した。

半導体、電力料金25%増加も

 証券会社は、ファウンドリーは、電力料金が15〜25%増えると予測した。

 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)はコメントしていない。ファウンドリー大手、聯華電子(UMC)は、再生可能エネルギーの使用率を引き上げると説明した。UMCの23年の再エネ使用は11.1%に倍増し、25年は25%、30年に50%を目指している。

 半導体用シリコンウエハー世界3位の環球晶円(グローバルウェーハズ、GWC)は、電力料金引き上げで、台湾工場の生産コストが上昇し、粗利益率は0.5〜0.7ポイント低下すると試算した。

 鉄鋼最大手、中国鋼鉄(CSC)は、年間電力使用量が25億キロワット時で、電力料金は9億4000万元増加する見込みだ。節電や温室効果ガス(CO2)排出削減で、電力料金10億元を削減する計画だ。

TPC、25年黒字転換か

 産業用電力料金は現行の1キロワット時当たり平均3.81元から4.29元に引き上げられる。2021年の2.58元と比べると、累計66%の引き上げとなる。

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 経済部は、TPCは現在、1キロワット時当たり0.4元の損失になっていると説明した。

 TPCによると、産業用電力料金の損失は直近3年で4000億元余り、家庭用電力料金の損失は2300億元余りに膨らみ、TPCの負債比率は93%に上る。

 10月16日からの電力料金値上げで、TPCの24年売上高は150億元の増加が見込める。

 立法院(国会に相当)でTPCに対する補助1000億元が決まれば、今年の損失は800億〜850億元、累計損失は4600億元となる見通しだ。

 25年は電力料金収入が740億元増え、黒字に転じる可能性がある。

 

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