ニュース 電子 作成日:2024年11月21日_記事番号:T00118735
半導体サプライチェーン(供給網)のうわさによると、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は近ごろ、南部科学園区(南科、南部サイエンスパーク)で、先進パッケージング(封止、アドバンスドパッケージング)の集積地(クラスター)「先進サプライチェーン専区」の構築を計画しているという。面積は30ヘクタール。半導体サプライチェーンの研究開発(R&D)、IC設計、自動化などの集積地とする。TSMCの先進封止チップ・オン・ウエハー・オン・サブストレート(CoWoS、コワース)やシステム・オン・インテグレーテッド・チップス(SoIC)の重要拠点となる嘉義県で建設中のAP7工場や台南市のAP8工場を支援する狙いだ。21日付電子時報が報じた。
TSMCはきょう21日、TSMCの認証を獲得し、何年も協力関係にあるサプライヤー数十社を招待し、説明会を開催する。参加企業は、CoWoSの設備メーカー、▽均豪精密工業(ギャラント・プレシジョン・マシニング、GPM)、▽均華精密工業(ギャラント・マイクロ・マシニング、GMM)、▽志聖工業(CサンMFG)、▽辛耘企業(サイエンテック)、▽弘塑科技(グランド・プロセス・テクノロジー)──などや半導体の封止、テスティング(検査)関連のサプライヤーで、将来のトレンドとみられているシリコンフォトニクス(SiPh、シリコンウエハー上に光学素子を実装)技術の材料や設備メーカーも参加する可能性がある。
サプライチェーン関係者は、南科は新竹科学園区(竹科、新竹サイエンスパーク)に続き、TSMCと関係が深いサプライヤーが多く入居しており、南科台南園区第3期拡張計画や、先進サプライチェーン専区の構築で、TSMCは先進製造や先進パッケージング首位の座を強固とし、台湾のサプライヤーを育成できると指摘した。
■先進封止の需要増
ムーアの法則(半導体の集積密度は18~24カ月で倍増する)の半導体の微細化が物理的な限界に近づく中、世界の半導体メーカーが先進封止を研究開発している。
TSMCの魏哲家(シーシー・ウェイ)董事長は先日、顧客の先進封止CoWoS需要は供給能力を超えており、TSMCは24年にCoWoS生産能力を2倍以上に増やしたが、まだ供給不足だと語った。
TSMCは近年、先進封止の工場を増やしている。▽竹科第1工場(AP1)、▽南科第2工場(AP2)、▽桃園市の龍潭第3工場(AP3)、▽中部科学園区(中科、中部サイエンスパーク)第5工場(AP5)、▽苗栗県の竹南第6工場(AP6)──のほか、今年は南科嘉義園区(嘉義県太保市)に工場(AP7)を建設中だ。8月には、液晶パネル大手、群創光電(イノラックス)から台南工場を購入すると発表しており、先進封止のAP8工場とする計画だ。
台南AP8工場は25年第2四半期(4〜6月)に設備を搬入する予定だ。TSMCは台南AP8工場のほかにも、イノラックスの周辺工場を購入するため、価格を提示したなどとうわさが絶えない。
嘉義県のAP7工場は25年第3四半期(7〜9月)に設備を搬入し、26年に量産する予定だ。TSMCは嘉義県で建設中の工場2基のほか、先進封止工場6基の建設を計画しているとみられている。
市場調査会社、ヨールグループは、生成AI(人工知能)や高性能計算(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング、HPC)需要で、世界の先進封止市場は、23年の売上高392米ドルから、29年に売上高811億米ドルまで倍増し、年平均成長率(CAGR)は12.9%に上ると予測した。
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