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SYMと工研院、水素燃料電池搭載の電動バイク開発(トップニュース)/台湾


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2024年12月19日_記事番号:T00119229

SYMと工研院、水素燃料電池搭載の電動バイク開発(トップニュース)/台湾

 バイク最大手、三陽工業(SYM)は18日、工業技術研究院(工研院、ITRI)と水素燃料電池を搭載する電動バイクを共同開発しており、第1段階に当たる超高圧水素貯蔵技術の検証に成功したと発表した。工研院が開発した水素貯蔵ボトルをSYMの電動バイク「e-woo」に搭載し、工研院内の道路でテスト走行した。商品化の時期は未定だ。19日付工商時報が報じた。

/date/2024/12/19/00bottle_2.jpgSYMの電動バイクに搭載した水素貯蔵ボトル(SYMリリースより)

 SYMと工研院は2023年に、水素燃料電池を搭載する電動バイクの共同開発を開始した。

 SYMは、バイクのエネルギー貯蔵スペースは限られており、航続距離を伸ばすため、エネルギー貯蔵量をいかに最大化するかが技術目標で、まず、密度が小さい(軽い)水素を安全にボトルに貯蔵することが第1ステップだと説明した。

 工研院は、自由度が高い多軸ロボットアームと自動巻き付けシステムを使用し、水素貯蔵ボトルのインナーライナーの生産に成功した。マイクロメートルレベルのエッチング処理を施し、プラスチックと金属製のバルブシートの異種材接合を安定させた。これにより、圧力が最高500バール(bar)となる水素貯蔵ボトルをバイク内に設置できるようになった。

 工研院のテスト結果によると、市販の水素燃料電池を使う場合、水素125グラムで、100キロメートル走行できると試算された。二酸化炭素(CO2)排出量は1キロ当たり7グラムで、ガソリンバイクの50グラムやバッテリー交換式の電動バイクの19.7グラムを下回る。

/date/2024/12/19/00bike_2.jpg工研院の敷地内で水素貯蔵ボトルを搭載した電動バイクの走行テストが行われた(SYMリリースより)

 CO2を排出せず、単価がやや高いグリーン水素を使用する場合、1キロメートル当たりのコストは0.2台湾元(約0.95円)未満と試算された。環境保護とコストを両立できる。

■電動ハイブリッドバイクも

 SYMは、水素燃料電池搭載の電動バイクのほか、台湾中油(中油、CPC)が今年9月に発表したソフトカーボンを負極材として使用した電動バイク用バッテリーを、電動バイク「NX1」に採用し、2025年に発表する予定だ。

 昨年11月に発表した電動モーターと発電用ガソリンエンジンを搭載した電動ハイブリットバイク「PE3」は、今年末に少量生産を開始し、26年末に量産する予定だ。

 台湾政府は50年のネットゼロ(温室効果ガス排出量実質ゼロ)達成に向け、40年に電動バイク販売比率を100%に引き上げる目標を掲げている。しかし、20年以降の電動バイク販売比率は10%前後で低迷している。

 

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