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一般従業員に利益還元、上場企業に明文化義務【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース その他分野 作成日:2025年2月26日_記事番号:T00120272

一般従業員に利益還元、上場企業に明文化義務【図表】(トップニュース)/台湾

 金融監督管理委員会(金管会)は25日、上場・店頭公開企業1874社に対し、当該年度の利益の一定比率を拠出し、一般従業員の給与の引き上げか報酬の分配に充てることを、今年の株主総会で定款を改定して明文化するよう求めた。一般従業員は、管理職ではなく、月給6万3000台湾元(約28万7000円)以下の従業員を指す。26年から適用する。長年続く低賃金問題を解消する狙いだ。26日付経済日報などが報じた。

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 立法院は昨年7月、上場・店頭公開企業の定款に、当該年度の利益の一定比率を一般従業員の給与か報酬のために拠出することを定める内容の証券交易法(証券取引法)の改正を可決した。「賃上げ条項」と呼ばれている。定款の改定は、株主総会の決議が必要なため、6月の株主総会シーズンを前に、金管会は周知した。

 金管会は定款の改定方法について、上場・店頭公開企業は当該年度の利益の一定比率を、一般従業員の賃上げか報酬のいずれか、または両方に充てるよう明文化する必要があると説明した。利益を報酬に充てる場合、▽比率を固定(3%など)、▽比率の範囲を設定(1~3%など)、▽比率の下限を設定(3%以上など)──のいずれかを明記しなければならない。

 金管会は一般従業員の定義について、管理職でなく、かつ月給が6万3000元以下の従業員を指すと説明した。金管会は、月給の基準は企業は業種や会社の規模によって、自社で設定できると説明した。例えば、その会社の平均月給が5万元なら、6万3000元以下が一般従業員となるが、平均月給が10万元の会社ならば、一般従業員の範囲を10万元と設定してもよい。

 一般従業員の範囲は、董事会(取締役会)で決議する。定期的に見直し、内部統制に盛り込む必要がある。

■経済団体は反発

 現行の公司法(会社法)では、当該年度の利益の一定比率を従業員の報酬に充てるよう定款に定めるよう求めているが、従業員の定義は規定されていない。

 給与の中央値が平均値を下回っていることから、給与格差が大きい、管理職だけに利益が分配されているなどの声がある。

 サービス業の経済団体、中華民国全国商業総会(商総)の許舒博・理事長は25日、企業は利益が出れば、従業員に還元しているが、その方法や対象まで規定すれば、コストが大幅に増加し、投資意欲が低下すると懸念を示した。

 

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