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鴻海のEV設計製造受託、日本企業と2カ月内に契約【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2025年3月17日_記事番号:T00120606

鴻海のEV設計製造受託、日本企業と2カ月内に契約【図表】(トップニュース)/台湾

 電子機器受託製造サービス(EMS)最大手、鴻海精密工業(ホンハイ・プレシジョン・インダストリー)の劉揚偉・董事長は14日の業績説明会で、電気自動車(EV)のCDMS(設計・製造受託サービス)で、日本企業と2カ月以内に契約を締結すると明かした。劉・董事長は2月上旬に、日産自動車やホンダなど日本の自動車メーカーと接触していると話していた。中央社電などが伝えた。

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 劉・董事長はEV事業の見通しについて、▽5人乗りクロスオーバースポーツ用多目的車(SUV)「モデルB」、今年半ばに量産開始、▽高雄市のEVバス工場、第3四半期(7~9月)に認証取得、▽7人乗りSUV「モデルC」、第4四半期(10~12月)に北米で量産開始──と説明した。このほか、中東の自動車メーカーと、EVの電気・電子アーキテクチャ(EEA)やスマートコックピットを共同開発すると語った。

 半導体事業については、EV向け第3世代半導体の炭化ケイ素(SiC、シリコンカーバイド)半導体の認証を取得し、第1四半期(1〜3月)から出荷を開始すると述べた。チップレット(小さな半導体のダイ)については、AI(人工知能)サーバー向けに採用され、新竹工場でSiC/IGBTモジュールの生産を開始しており、電動バス、商用車、エネルギー貯蔵、太陽光発電向けの試作受注を獲得したと説明した。

■AIサーバー、25年1兆元超へ

 鴻海の2024年連結売上高は前年比11.3%増の6兆8600億台湾元(約31兆円)、純利益は7.5%増の1527億元で、いずれも過去最高となった。

 劉・董事長は、第1四半期のAIサーバーの売上高は前期と前年同期に比べて倍増すると予測した。グラフィックスプロセッサー(GPU)大手、米エヌビディアのAI向け新世代GPUプラットフォーム「GB200」搭載サーバーの需要が強く、出荷量が増加する見通しで、今年のAIサーバーの売上高は1兆元を超え、サーバー売上高の50%を占めると予測した。世界市場シェアは40%を超えると予想した。

 鴻海の四大製品は、▽消費者向けスマート製品、▽コンピューター製品、▽部品とその他製品、▽クラウドネットワーク製品──。

 劉氏は、AIサーバーがけん引し、クラウド・ネットワーク製品の今年の売上高は、スマートフォンなど消費者向けスマート製品の売上高に迫り、将来は最大を占めるとの見通しを示した。

 鴻海は郭台銘(テリー・ゴウ)氏が1974年に設立した。設立当初はテレビの選局つまみやコンピューターのコネクタなどを手掛けていたが、1990年代にパソコンの受託生産で台頭し、2007年のiPhone発売当初からアップル製品の主要サプライヤーを担ってきた。受託生産は粗利益率が低く、スマホ市場が伸び悩む中、EVやAIサーバーなど、新たな事業を開拓している。

■蒋尚義氏、董事会入りへ

 鴻海は14日、5月29日に開く株主総会で改選する董事(取締役)候補者リストを発表した。鴻海の半導体戦略長(CSO、最高戦略責任者)である蒋尚義氏が初めて候補に選ばれた。

 郭台銘氏は候補に入っていなかった。郭氏は2019年に董事長を劉氏に引き継ぎ、総統選挙出馬を表明していた23年9月に董事を辞任していた。

 

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