ニュース 電子 作成日:2025年4月18日_記事番号:T00121193
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家(シーシー・ウェイ)董事長は17日の業績説明会で、2ナノメートル以降の先進製造プロセスについて、米国のアリゾナ工場で30%を生産すると説明した。▽アップル、▽エヌビディア、▽アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、▽クアルコム、▽ブロードコム──の米国の大口顧客の力強いAI(人工知能)需要に応えると語った。米国の関税政策の影響について、「受注に変化はない」と答え、米国の受託生産価格については、主な顧客と協議しており、順調だと説明した。18日付経済日報などが報じた。
米国のアリゾナ工場の第1工場(Fab21 P1)は2024年第4四半期(10~12月)に4ナノ製造プロセスで量産を開始した。魏・董事長は17日、3ナノ製造プロセスを採用する第2工場(P2)は、建設が完了し、顧客の需要に応えられるよう、量産の準備を急いでいると説明した。従来計画より2四半期以上早まる。第3工場(P3)は、2ナノとA16(1.6ナノに相当)を採用し、年内に着工する予定だ。
追加投資で建設する第4工場についても2ナノとA16を採用する計画だ。第5~第6工場は、さらに先端の技術を採用する。顧客の需要に合わせて建設や生産計画を調整する。
魏・董事長は、TSMCは米国で先進製造工場6基、先進封止工場2基、研究開発センター1基を建設して、AI向けサプライチェーン(供給網)を充実させると語った。超大型工場(ギガファブ)集積地として、スマートフォンやAI、ハイパフォーマンス・コンピューティング(高性能計算、HPC)向け需要に対応する。
TSMCは今年3月に、米国のアリゾナ州で先進製造工場を3基建設する従来計画に加え、米国に1000億米ドルを追加投資して、さらに先進製造工場3基、先進パッケージング(封止)工場2基、研究開発(R&D)センター1基を建設する計画を発表していた。トランプ大統領がホワイトハウスで魏・董事長とともに、TSMCが米国で1000億米ドルを追加投資する計画と発表した。
■海外工場、計画変わらず
業績説明会では、成熟製造プロセスは需要があまり高くないため、日本やドイツの工場の建設計画を見直すかとの質問があり、魏・董事長は、日本やドイツの工場の延期はなく、従来計画通り進めると回答した。成熟製造プロセスは特殊用途の半導体に使用され、競合他社は生産能力や技術力が足りないと説明した。
日本では、熊本第1工場は24年末に量産を開始した。28/22、16/12ナノメートル製造プロセスを採用し、月産能力は最大5万5000枚。第2工場は年内に建設を開始する予定だ。現在は、整地作業中とされる。
欧州では、ドイツのドレスデン工場を建設中だ。
台湾では、今後数年で半導体製造工場11基と先進封止工場4基を建設する計画だ。2ナノは下半期(7~12月)に量産を開始する予定。2ナノ強化版「N2P」とA16は26年下半期に量産する計画だ。
■インテルとの合弁を否定
市場では、TSMCが米半導体大手、インテルのファウンドリー事業を支援するため、共同経営するための合弁会社を設立することで暫定合意したなどのうわさが浮上している。魏・董事長は17日、他社と合弁、技術ライセンス付与、技術移転、技術共有などの協議は行っていないと説明した。
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