ニュース その他分野 作成日:2025年4月21日_記事番号:T00121221
台湾内外の経済情勢を研究し、政策提言を行うシンクタンク、財団法人中華経済研究院(中経院、CIER)は18日、米国のトランプ政権の関税政策を受けて、台湾の2025年実質域内総生産(GDP)成長率を下方修正し、関税合戦が長期化するなど最悪のシナリオの場合、0.16%まで落ち込む可能性があると予測した。上半期(1~6月)は、相互関税の90日間の猶予期間で、前倒しの緊急発注や転注などで、台湾の輸出が伸びる可能性はあるが、下半期(7~12月)には縮小が避けられないと指摘。中経院は1月時点で3.22%と予測していたが、楽観的なシナリオでも2.85%と、3%には届かないとみている。19日付聯合報などが報じた。
楽観的なシナリオは、▽4月9日に発動された相互関税の90日間延期、▽一部のテック製品や3C(コンピューター、通信、家電)製品が関税免除リストに含まれている、▽台湾に適用される関税率が10%で他国とほぼ同水準──の条件で、世界経済が安定し、関税によるインフレが発生しない場合で、台湾のGDP成長率は2.85%の予測だ。
中経院は中間的なシナリオとして、関税率が現行の10%から15~20%に引き上げられたとしても、主要な競争相手国と同水準である場合、台湾のGDP成長率は1.66%と試算した。
しかし、関税合戦が長期化して米国をはじめ主要国が、景気後退や、物価上昇と景気後退が同時に起こるスタグフレーションに陥るなど最悪の場合、台湾のGDP成長率は0.16%と、ゼロに近いと予測した。
中経院の連賢明・院長は、3つのシナリオのうち、現実的には楽観的と中間的なシナリオの間に近いと述べ、最悪のシナリオが現実となる可能性は2割以下との見解を示した。
中経院経済展望センターの彭素玲・主任は、トランプ政権の関税政策が二転三転しているため、上半期(1~6月)には、前倒しの緊急発注や生産地変更による転注で台湾の輸出が成長する可能性はあるが、下半期(7~12月)には縮小が避けられないと述べた。ただし、縮小の程度は競争相手国の関税や非関税障壁次第だと説明した。
■CPI上昇率予測、1.99%
中経院は、主な不確定要素として、トランプ政権の関税などの政策変更のほか、▽主要国の金融政策、▽中国の経済成長、両岸(中国と台湾)関係、▽台湾の投資、企業の今後の展望──を挙げた。
また、25年の消費者物価指数(CPI)上昇率は楽観的な場合2.08%、中間的なシナリオで1.99%と予測し、1月時点よりも上方修正した。
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