ニュース 電子 作成日:2025年6月16日_記事番号:T00122276
経済部国際貿易署は15日、戦略的ハイテク物資(SHTC)の輸出実体管理リストに10日にロシアや中国などの企業・組織など601件を追加しており、この中に中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)やファウンドリーの中国最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)も含まれていることを認めた。これで、ファーウェイやSMICは台湾から半導体などの重要な技術や材料、設備を入手するのが難しくなる。米国は2018年からファーウェイとSMICへの制裁を発動し、日本や英国なども追随しており、台湾も米国と足並みをそろえて中国のハイテク発展の封じ込めに加わった形だ。16日付経済日報などが報じた。
ファーウェイをめぐっては、ファーウェイが24年に発表した人工知能(AI)プロセッサー「昇騰(アセンド)910C」などに、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が生産したAI半導体が使用されていたことが判明していた。米国の輸出規制を回避するため、ダミー会社を通じて取得したとされる。
戦略的ハイテク物資の輸出実体管理リストに追加したことは、ファーウェイやSMICが台湾から先進AI半導体を迂回(うかい)して取得するのを防ぐことが目的とされる。
国際貿易署の戦略的ハイテク物資に含まれるのは、軍民両用の製品や技術、軍需品、核兵器開発に転用できる製品、北朝鮮やイラン、ロシア、ベラルーシへの輸出が懸念される高性能なハイテク製品など。
消息筋は、戦略的ハイテク物資の輸出実体管理リストに記載される品目は台湾の独自判断に基づいており、過去5~10年間、国際情勢や市場の変化、各国との情報共有などを参考に何度も更新が行われてきたと説明した。今回、ファーウェイとSMIC、その子会社が追加されたのは、それらの製品に安全上の懸念があるためだと説明した。
更新の際には、国連安全保障理事会(安保理)や友好国の制裁・管理リストを主な参考としており、台湾ではこれまでに累計で1万844の組織や個人が戦略的ハイテク物資の輸出実体管理リストに掲載されている。
台湾企業がこのリストに掲載された規制対象に戦略的ハイテク物資を輸出する際には、国際貿易署が発行する輸出許可証を事前に取得しなければならない。無許可での輸出の場合に、税関は通関を認めない。許可なしに規制対象製品を輸出した場合、貿易法違反で拘禁刑や罰金が科されるか、または輸出入停止、輸出入資格の取り消しなどの行政処分が出される可能性がある。
■競合企業に追い風
ファーウェイやSMICのリスト追加について、台湾のテック企業は15日、コメントを控えた。
経済日報によると、米国が両社に制裁を加えた段階で、台湾企業は「センシティブな顧客」との距離を取り、供給を停止したとされる。
業界では、今回の経済部のリスト追加は台湾企業の受注にほとんど影響を与えないとの見方が強い。むしろ各国によるファーウェイへの圧力が、スマートフォンやネットワーク通信機器分野で同社と競合する台湾企業に追い風になると予想されている。
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