ニュース 公益 作成日:2025年9月11日_記事番号:T00124069
公営電力会社、台湾電力(台電、TPC)は10日、電力供給予備率が6%を下回る恐れがあるとして「電力系統警戒運転令」を発令した。高雄市永安区の興達火力発電所の試運転中の新2号機で9日に火災が発生し、高雄市政府に新1号機と新2号機の安全検査を命じられ、運転を停止しているためだ。新1号機がなければ、供給予備率が3%下がる。TPCは、緊急の予備電源の発電機2基を稼働させた。11日付聯合報などが報じた。
TPCの興達火力発電所(10日=中央社)
TPCの曽文生・董事長は10日午後の記者会見で、興達火力発電所の火災に関する調査結果を発表し、周辺住民に謝罪した。
TPCによると、興達火力発電所の新2号機の試運転のテスト中で、9日午後7時57分に、天然ガス漏れが検知され、従業員がすぐに新2号機を停止して通報した。午後8時5分に火災が発生し、午後8時24分に消防が消火活動を行い、午後8時40分に鎮火し、けが人はいなかった。
TPCは、天然ガス漏れは新2-2号機ガスタービンのガス加熱器下流の配管フランジと判断しており、漏えいの原因について詳しく調べると説明した。
天然ガス漏れ箇所とみられるフランジ(TPCリリースより)
新2-2号機の本体に損傷はなかった。新1号機と新2-1号機は損傷が軽微で、今後、発電設備本体の性能に問題がないか点検する。天然ガス配管やフランジなどの部品も全面検査し、緊急対応や通報の制度も見直す。
■経済部長、予備率6%を指示
龔明鑫・経済部長は10日、TPCに対し電力供給予備率6%以上を維持するよう指示した。
TPCは、緊急の予備電源として、大林火力発電所(高雄市小港区)の天然ガス火力発電5号機を再稼働したほか、興達火力発電所の石炭火力発電4号機を稼働させた。興達火力発電所の石炭火力発電2号機を待機させている。
稼働を停止した第2原子力発電所(新北市万里区)と第3原発(屏東県恒春鎮)内にある非常用ディーゼル発電機も稼働した。
このほか、企業から電力を1キロワット時(kWh)当たり10台湾元(約49円)の高値で調達している。ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)に対しては、場合によっては、TPCの電力を使用せず、自社のディーゼル発電機を稼働させてほしいと要請した。
10日夜の電力供給予備率は8~9%だった。TPCは、11日の供給予備率は10.2%と予測した。
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