ニュース 社会 作成日:2025年9月24日_記事番号:T00124324
台湾の南の海上を通過した強烈(台湾基準。日本では非常に強い~猛烈な強さに相当)な台風18号(アジア名・ラガサ)による豪雨で23日午後2時半過ぎ、花蓮県の馬太鞍渓(河川)の上流にできた堰止湖(せきとめこ)から水があふれ出し、橋を押し流して光復郷の市街地を襲った。災害対策本部、中央災害応変中心(CEOC)の24日午前8時の統計では、14人が死亡、34人が負傷し、124人が行方不明となっている。卓栄泰・行政院長は23日夜、光復郷に災害救援の前線本部を設置するよう指示し、被災地では行方不明者の捜索や復旧作業が進められている。中央社電などが伝えた。
花蓮県光復郷では、家屋が数メートルの高さまで水に浸かり、道路はまるで川のような状態になり、車が流された(23日=中央社)
多くの住民が自宅に閉じ込められ、55歳と80歳の男性2人が水に阻まれて病院に搬送できずに死亡したほか、多くの高齢者の遺体が家屋の1階部分で見つかった。避難が間に合わなかったとみられる。水は徐々に引き始めたものの、街は泥とごみで覆われた。また、台東県では竜巻とみられる突風で、一部の民家の屋根が吹き飛ばされた。
堰止湖の決壊で激流に押し流された馬太鞍渓橋の断面(24日=中央社)
堰止湖は今年7月の台風6号(アジア名・ウィパー)の影響で、馬太鞍渓上流の国有地が大規模に崩落し、土砂が河道をせき止めて形成された。最近の降雨で水位が上昇し、満水時の水量は9100万トンを超え、台南市の南化ダムの満水時の総水量を上回る規模となっていた。決壊すれば甚大な被害が想定されるため、行政院は先週、光復郷・鳳林鎮・万栄郷の住民計3285人の予防的避難を実施していた。
■車1千台超が浸水
第1波の洪水は23日午後2時50分ごろ発生した。大量の泥水が下流に押し寄せ、午後3時半ごろ鳳林鎮と光復郷を結ぶ馬太鞍渓橋が流失した。第2波の洪水は午後4時ごろ市街地に突入。道路が水没して、乗用車やトラックが押し流され、住民が柱にしがみついたり屋根に避難したりする様子がテレビで放送された。車1000台以上が浸水、流出したと推計されている。
馬太鞍渓橋に付設されていた水道管が流失したため、光復郷の4378戸が断水した。水道会社の台湾自来水(台湾ウオーター、台水)は、水が引いてから4時間で復旧できる見込みとしている。また、光復郷で一時2648戸が停電した。堰止湖は水が約6000万トン流出し、水位は33メートル低下した。浸水した地区は光復郷と鳳林鎮を中心に51カ所に上った。
消防隊員は洪水で家屋に取り残された住民を背負って避難させた(24日=中央社)
国防部は兵力2万7800人余り、車3850台余りを待機させ、地方政府の要請に応じて災害対応を支援する。
台風18号は中国大陸へと遠ざかったが、交通部中央気象署(CWA)は、花蓮県や台東県、屏東県の恒春半島では引き続き局地的な豪雨に警戒が必要だとして警戒を呼びかけた。洪水で道路が通行止めとなり、災害復旧作業などのため、高雄市桃源区などや屏東県、花蓮県、台東県の一部で、24日も公共機関と学校を休みとする「停班停課」の措置が取られた。
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