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《25年台風18号》花蓮県のせき止め湖決壊、15人死亡31人行方不明(トップニュース)


ニュース 社会 作成日:2025年9月25日_記事番号:T00124350

《25年台風18号》花蓮県のせき止め湖決壊、15人死亡31人行方不明(トップニュース)

 「スーパー台風」に発達した台風18号(アジア名・ラガサ、中国語名・樺加沙)が台湾の南の海上を通過したことによる豪雨で、23日午後に花蓮県の馬太鞍渓(河川)の上流にできた堰止湖(せきとめこ)が決壊し、6800万トンの水や土砂が光復郷に流れ込んだ。1階に住む高齢者などを中心に、25日午前10時の発表によると、15人が死亡、32人が負傷し、依然31人が行方不明だ。中央政府は21日以降、避難するよう何度も通告しており、花蓮県政府の郷鎮公所(役場)は同日午後に住民の避難措置を実施するはずだった。25日付自由時報などが報じた。

/date/2025/09/25/00guangfu2_2.jpg光復郷は民家や商店が浸水し、水が引いた後も道路の多くに泥が残った(25日=中央社)

 せき止め湖は今年7月の台風6号(アジア名・ウィパー)の影響で、馬太鞍渓上流の国有地が大規模に崩落し、土砂が河道をせき止めて形成された。農業部林業自然保育処(林保署)は7月末に、花蓮県の馬太鞍渓のせき止め湖は、満水時の水位が1150メートルと認定した。当時の水位は1040メートルだった。8月8日に、水位は1071メートルまで上昇したが、豪雨がなければ、10月に自然に消失すると予想していた。

 台風18号が勢力を強めながら接近し、中央災害対策本部指揮官の劉世芳・内政部長は21日午前、直ちに避難が必要と判断し、避難の対象範囲を設定した。同日午後、花蓮県政府と鳳林鎮、光復郷、万栄郷の公所(役場)とオンライン会議を行い、花蓮県政府に対し避難措置を要請した。

 花蓮県政府は、中央政府が指定した範囲に従って、世帯数と世帯人数を確認し、21日午前11時までに公所(役場)に通知し、同日午後から避難するよう伝えた。避難方法は、内政部の指導方針に従い、「親族・知人宅への避難」「避難所への避難」「高所への避難」の3種類。

 中央災害対策本部は22日午前7時、「紅色警戒」(避難指示レベルの警戒)を発し、避難を呼びかけるショートメッセージを住民の携帯電話に送信した。林保署花蓮分署は花蓮県政府に対し緊急通知を出し、直ちに避難措置を実施するよう要請した。中央災害対策本部は同日午後、屏東県と花蓮県と台東県とオンライン会議を開いた際にも、避難措置を求めた。オンライン会議には、花蓮県は顔新章・副県長(国民党)が出席し、徐榛蔚・県長(国民党)は姿を見せなかった。

 徐・花蓮県長は18日から韓国に出張中で、台風18号の接近に伴い、その後の日本への出張を取りやめて22日夕方に台湾に戻った。

 せき止め湖の水位は23日午前0時の1123メートルから1141メートルまで上昇した。

 花蓮県の災害対策本部は2級だった。23日午後にせき止め湖が決壊後、県長が指揮を執る1級に引き上げられた。

 遺体が見つかった場所は、中央政府が指定した避難対象範囲内だった。

■避難が半歩遅れ

 卓栄泰・行政院長(民進党)は24日午前、決壊で流失した馬太鞍渓橋を視察し、政府は関係機関に避難計画を指示していたが、今となってみれば不足があったと述べた。視察に同行していた傅崐萁・立法委員(国民党、前・花蓮県長、徐榛蔚・現県長の夫)は、高齢者に高所への避難を求めても、足腰が弱くて逃げられないと語った。

/date/2025/09/25/00flood_2.jpgせき止め湖の決壊で、多くの被災住民が花蓮県の大進国小(小学校)に避難している(24日=中央社)

 被災地では、600人以上が避難所での生活を余儀なくされ、自宅に戻れない状況が続いている。民間の慈善団体の仏教慈済慈善事業基金会(慈済基金会)が24日、流れ込んだ泥の撤去作業を開始した。

 

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