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米国がロボット・工作機械関税を調査、台湾に緊張感(トップニュース)


ニュース 機械 作成日:2025年9月26日_記事番号:T00124375

米国がロボット・工作機械関税を調査、台湾に緊張感(トップニュース)

 米国商務省は24日、米国に輸入するロボットや工作機械、医療用品などに対する調査を9月2日に開始したと発表した。米国の通商拡大法232条に基づき、調査対象品の輸入が米国の安全保障を損なう可能性があると判断された場合、関税率が引き上げられる可能性がある。台湾では、▽自動化設備の盟立自動化(Mirleオートメーション)、▽部品大手の和大工業(HOTA)、▽光学レンズ大手の亜洲光学(アジア・オプティカル)──などが、テスラなど米国のロボットメーカーのサプライヤーだが、主な生産拠点は米国にはない。米国の関税が引き上げられれば、台湾元高に続く追い打ちとなる。26日付経済日報などが報じた。

/date/2025/09/26/00robot_2.jpg欧州市場を開拓するため、ドイツで22~26日に開催されている世界最大規模の工作機械の展示会、EMOハノーバー2025に、工作機械部品大手、上銀科技(ハイウィン・テクノロジーズ)など台湾企業122社が出展した(23日=中央社)

 米国の通商拡大法232条では、特定製品の輸入が米国の国家安全保障を損なう恐れがあると商務省が判断した場合に、関税引き上げなどの是正措置を取る権限を大統領に付与している。米国はこれまで、半導体や半導体製造設備、川下の電子製品、医薬品などに対し調査を開始しており、自動車や部品、鉄鋼・アルミニウム、銅などは調査を経て関税率を引き上げた。

 今回の調査対象は、▽ロボット、▽コンピュータ数値制御(CNC)マシニングセンタ、▽旋盤・フライス盤、▽特殊金属加工設備──などのロボットや工作機械、マスクなど個人用防護具(PPE)、医療機器など。米国はこれら多くの品目を主に中国から輸入している。

 盟立自動化や和大工業は、テスラのヒューマノイド(ヒト型ロボット)「オプティマス」のサプライヤーだ。両社が出資する盟英科技(メイン・ドライブ)は、ロボットの関節用に新素材のポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK、ピーク)を開発し、軽量化を実現した。両社の主な生産拠点は米国ではない。

 盟立自動化は、もし米国が輸入するロボットに対する関税を引き上げることになれば、生産拠点を見直すと説明した。

 能率集団(アビコグループ)傘下の光学機器メーカー、佳能企業(アビリティ・エンタープライズ)も、米国のロボットメーカーと提携している。アビリティは、ロボット関連の受注はAI(人工知能)ビジョンやセンサーなどの部品が中心で、完成機の組み立ては手掛けていないため、影響は受けないと予想した。

■小規模メーカー廃業も

 機械業界団体、台湾機械工業同業公会(TAMI)は25日、米国の相互関税が世界景気に影響し、台湾元高で受注が減少しており、「減班休息」(景気を理由とした労働時間削減。いわゆる「無給休暇」。実際には有給を含む)を実施する企業が増えていると指摘した。実質週休3日の企業もある。

 工作機械メーカーは大小1万社以上ある。不景気で多くの小規模企業が廃業に追い込まれると予想されている。

■医薬品、関税率100%

 トランプ米大統領は25日、米国で工場を建設中でなければ、海外から輸入する医薬品に10月1日から100%の追加関税を課すとSNS(交流サイト)で表明した。

 

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