百貨店最大手、新光三越百貨は2日、台北南西店（台北市中山区）など4店で、周年慶（創業祭）セールを開始した。百貨店業界の周年慶セールの売れ行きを占う指標とされる台北南西店は、改装したスーパーマーケット・食品館に2倍の人出があり、初日の売上高は5億台湾元（約24億円）を超えた。前年同水準だった。呉昕陽・副董事長兼総経理は、10月下旬にも政府が市民に1人当たり1万元を給付するため、購買意欲を刺激すると期待感を示した。3日付工商時報などが報じた。

新光三越の台北南西店は2日午前10時の周年慶セール開幕前から、多くの買い物客が行列を作った（2日＝中央社）

　2日に周年慶セールを開始した▽台北南西店、▽桃園駅前店（桃園市桃園区）、▽嘉義垂楊店（嘉義市西区）、▽高雄三多店（高雄市前鎮区）──の来店客は合わせて8万人を超え、売上高は8億元に上ったとみられる。高級化粧品やゴールドアクセサリー、3C（コンピューター、通信、家電）製品やスーパーの食品売り場が賑わった。

■高級化粧品が好調

　新光三越の幹部は、台北南西店は周年慶セール開始前のプレセールで業績目標を達成し、化粧品や家電製品がともに好調だったと説明した。特に高級化粧品のディオールやシャネルがよく売れたとして、冬季のスキンケア製品の販売に期待を寄せた。

　台北南西店の周年慶セールは19日までで、期間中の売上高目標は前年同期比1％増20億8000万元だ。桃園駅前店、嘉義垂楊店、高雄三多店は26日までで、4店合わせて前年同期比0.6％増の33億2000万元が目標だ。

　新光三越の北部担当者は先日、今年の周年慶セールの最大の課題は来店客数だと話していた。アフターコロナで海外旅行に行く人が多いほか、3月にリージョナル型ショッピングセンター（RSC）、三井ショッピングパークららぽーと台北南港（台北市南港区）、7月に統一企業（ユニプレジデント・エンタープライゼズ）のドリームプラザ（台北市信義区）と、大型の商業施設が2店オープンしたためだ。

■男性専用セレクトショップ

　新光三越の台中中港店（台中市西屯区）は、2月のガス爆発事故で営業を停止し、9月27日に営業を再開した。再開後の2日間で、15万人以上が来店し、従来の周年慶セールの人出を上回るほどの賑わいだった。

　台中中港店は16日から11月9日まで、台北信義新天地4店（台北市信義区）と同期間に周年慶セールを開催する。例年は第一陣で周年慶セールを開催していた。

　新光三越は、10月は▽中秋節（旧暦8月15日、今年は10月6日）、▽国慶節（双十節、建国記念日、10月10日）、▽台湾光復節および古寧頭戦役の勝利記念日（10月25日）──と連休が3回続き、1万元の現金給付もあるため、全店の年間売上高は前年を上回ると見込んでいる。

新光三越の呉東昇・董事長（中）、呉昕陽・副董事長兼総経理（右）、呉昕昌・執行副総経理（左）は2日、周年慶セールが開始した台北南西店の売り場を回り、従業員を鼓舞した（2日＝中央社）

　呉・副董事長兼総経理は、新光三越は近く、台湾初の男性専用セレクトショップ「SKM MEN’S」を開設すると語った。

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