ニュース 電子 作成日:2025年10月8日_記事番号:T00124539
メモリーモジュール世界2位、台湾首位の威剛科技(Aデータ・テクノロジー)と台湾2位の十銓科技(チーム・グループ)は、オファー価格の提示をそろって停止した。価格提示停止(販売見合わせ)はメモリーモジュール業界で2017年以来、8年ぶり。DRAMの深刻な供給不足を示している。Aデータの陳立白・董事長は7日、AI(人工知能)データセンター向け需要が力強く、DRAM調達が足りないと説明した。今後DRAM価格もNAND型フラッシュメモリー価格も上昇が続き、2026年のメモリー景気は活況だと予測した。8日付経済日報などが報じた。
背景には、AIデータセンター需要の高まりを受け、韓国のサムスン電子、SKハイニックス、マイクロン・テクノロジーのメモリー世界上位3社が、AI向けの高帯域幅メモリー(HBM)生産に注力していることがある。大手がHBM生産に注力し、DDR4の生産を縮小しているため、DRAM大手のマイクロンや南亜科技(ナンヤ・テクノロジー)はDDR4の受注が集中し、価格提示を停止した。
■AIデータセンター需要で
Aデータの陳・董事長は、8月下旬からメモリー市況が急に変化したのを感じており、クラウドサービスプロバイダー(CSP)が2026年分まで発注していると説明した。今回の価格提示停止は10月中旬まで続けると述べた。
十銓科技は、欧米のクリスマスシーズンに向け、在庫の消化が進んでおり、DRAM調達には限りがあるため、価格提示を停止したと説明した。
業界関係者は、メモリーモジュール大手2社が価格提示を停止したことで、顧客が今後の価格上昇を見越して、調達を早め、価格がさらに上昇すると予想した。
■9月売上高、過去19年で最高
Aデータの9月の連結売上高は前月比5.2%増、前年同月比61.2%増の52億4400万台湾元(約260億円)だった。過去3番目の高水準で、過去19年の最高だった。売上高構成比は、DRAMが54.0%を占め、▽SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)、27.9%、▽メモリーカード・USBなどその他、18.1%──だった。
第3四半期(7~9月)の連結売上高は、前期比13.3%増、前年同期比55.2%増の144億8800万元で、過去2番目の高水準だった。
第1~3四半期(1~9月)の連結売上高は前年同期比22.9%増の371億7300万元で、うちDRAMが59.6%を占めた。
Aデータは7日、エア釘打機(エアーネイラー)受託生産の力肯実業(デ・ポアン・ニューマチック)に対し、2日から実施していた株式公開買い付け(TOB)で、応募株数が2034万9192株と、最低成立条件の1800万株を上回り、TOBが成立したと発表した。
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