ニュース 運輸 作成日:2025年10月14日_記事番号:T00124635
航空大手、長栄航空(エバー航空)の客室乗務員(CA、34歳)が9月下旬に体調不良ながらミラノ便に乗務し、帰台後に病院を受診したものの、10月10日に死亡した。労働部は、桃園市政府と合同で労働検査を行い、労働基準法(労基法)違反の有無などについて調査する。桃園市政府労働局は、休暇の申請が拒否された事実があったかどうか、乗組員に対し聞き取り調査を行うと表明した。労働組合は、エバー航空が従業員の健康と安全を守る安全配慮義務を怠ったと批判した。14日付聯合報などが報じた。
労働部は、エバー航空の管理に問題があれば、処罰すると説明した(13日=中央社)
エバー航空の従業員が12日、交流サイト(SNS)のThreads(スレッズ)に投稿したことで、事態が明るみに出た。投稿によると、このCAは体調不良だとチーフパーサー(CP、客室責任者)に伝えたが、機内で衛星通信を利用した医師の診断システムも受けられず、台湾到着後も救急車の手配を断られたという。
交通部民用航空局(民航局)によると、CAは9月25日、イタリアのミラノ発、台北(桃園)着のフライトに乗務し、台湾に戻ってから、林口長庚紀念医院(桃園市亀山区)を受診し、その後、中国医薬大学附属医院(台中市北区)に転院し、10月10日に死亡した。チーフパーサーのレポートには、CAの体調不良は記録されていなかった。
■休暇申請を拒否か
桃園市政府労働局は、CAの出勤記録によると、4~9月の飛行時間は月平均75時間で、休暇の記録によると、エバー航空は休暇申請を認めており、労基法違反は確認されていないと説明した。今後、桃園市政府労働検査処が同フライトの乗組員に聞き取り調査を行い、休暇の申請が拒否された事実があったかどうかを確認する。過労や業務上疾病(労働災害、労災)の可能性についても調査する。
エバー航空は13日、深い哀悼の意を表した。現在、社内調査を進めており、できる限り早急に状況を明らかにすると表明した。
エバー航空の労働組合、長栄航空企業工会とCAが加入する労働組合、桃園市空服員職業工会(TFAU)は、CAは夜勤や交代勤務、地上とは異なる気圧や紫外線など過労や免疫力低下のリスクがある上、休暇制度は厳しく、有給休暇取得は評価にも影響すると指摘した。エバー航空には労働者の健康と安全を守る義務があり、出勤管理を全面的に見直し、再発防止を求めると声明を発表した。
■これまでも労基法違反多発
労働部の統計によると、エバー航空は2025年だけでも、労働時間の上限超過など労基法違反5件、育児休暇と生理休暇の取得を理由とした不利益な扱いで性別平等工作法違反4件、工会法(労働組合法)違反1件で合計288万台湾元(約1430万円)の罰金処分を受けていた。
【セミナー情報です】
成功する新規事業とBtoBマーケティングを紹介するセミナー。20件超の自社事業立ち上げ経験者が語ります。経営塾参加中の方には500元の割引、BtoBマーケティング課題アンケートにご協力いただいた方には無料でセミナーにご招待します。10月28日開講。
検索は「ワイズ、新規事業とBtoB」。
【セミナー情報の詳細はこちら】
https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/124620.html
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722