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台北駅コンコースで性暴力、白昼堂々10分間誰も制止せず(トップニュース)


ニュース 社会 作成日:2025年10月16日_記事番号:T00124692

台北駅コンコースで性暴力、白昼堂々10分間誰も制止せず(トップニュース)

 国営台湾鉄路(台鉄)台北駅1階の中央コンコースで9日午後3時ごろ、酒に酔いつぶれた香港の女性が男に性暴力を受ける事件が起きた。白昼堂々、多くの乗降客が行き交う駅のコンコースで、内政部警政署鉄路警察局台北分局台北分駐所からわずか80メートルしか離れていなかった。10分間、誰も制止することなく、通報で駆けつけた警察が男を、機会に乗じた性交や公然わいせつ容疑で逮捕した。男は窃盗罪で有罪判決を受けながら逃走していたため指名手配されていた。監視カメラや通報システムが機能しなかった衝撃的な事件に波紋が広がっている。16日付聯合報などが報じた。

/date/2025/10/16/00taibei_2.jpg台北駅では暴行事件を受けて、警察官らの巡回を増やすなどの再発防止措置を取った(15日=中央社)

 台湾を旅行中のマレーシア人の男子大学生がコンコース2階から目撃し、携帯電話で動画を撮影し、同行していた台湾人の友人に警察への通報を依頼した。鉄道警察が現場に駆けつけた時、男は暴行を終え、女性は意識がもうろうとしており、病院に搬送された。監視カメラ映像を確認した結果、女性への暴行容疑が裏付けられ、男は現行犯で逮捕された。

 調べによると、女性は香港から観光ビザで台湾を訪問。旅費を使い果たしたとみられ、台北駅のコンコースに4日間滞在していた中で男と知り合った。9日午前11時ごろから、ほかのホームレス数人とともにコンコースの床に座って酒を飲み始め、高粱酒(コーリャンシュ)を3本空けたという。女性が酔いつぶれて床に倒れると、男は女性の体を触り始め、午後3時ごろ、ほかのホームレスが立ち去ると、女性を壁際に引きずっていき、約10分間、性的暴行を加えた。

 女性は警察の事情聴取を終えた後、香港へ帰国した。

 逮捕されたのは、邱勝明・容疑者(44歳)で、薬物や飲酒運転、窃盗などの事件で何度も服役していた。今年初め、小型トラックや小型電動バイク(中国語・微型電動二輪車)を盗んだ2件の窃盗事件で、懲役6月の有罪判決(罰金による代替も可)を言い渡されていたが、罰金を支払わずに逃走したため、9月30日に台湾桃園地方検察署(地検)が指名手配していた。容疑者は送検された後、台北看守所(拘置所、新北市土城区)に収監された。

 通報したマレーシア人の学生は、「現場の誰も異常に気づかなかったのが本当に意外だった。台湾は治安がいい印象があったが、事件を目撃して非常に衝撃を受けた」と話した。

■巡回増やし再発防止

 鉄道警察は、台北駅で2時間ごとに1回巡回しているが、死角になりやすいトイレやエレベーター、金融機関などに重点が置かれ、コンコースは比較的安全な区域に分類されていて、巡回のチェックポイントは設置されておらず、通過するだけだった。

 鉄道警察は事件後、台鉄と共同で安全ネットワークを構築し、警察官や警備員、駅職員が30分ごとに交代で巡回することや、駅構内で異常な行動をする旅客への注意、台北市政府社会局へのホームレス支援要請などの再発防止措置を講じる。

 ある鉄道警察官は、人が多ければ多いほど、異常な状況が見えにくくなると指摘した。事件が起きた場所は治安上の死角ではないが、人通りが多く、開放的な空間だったため、逆に異常に気づきにくい。女性は床に倒れているところを暴行されたが、外から見ると介抱しているようにも見える。当時、助けを求めていれば、警察は30秒以内に駆けつけることができたはずだ。だが、被害者は救助を求める声を上げられず、ちょうど巡回と巡回の間の短い時間に発生したため、警察は察知できなかったと説明した。

 「駅は公共の空間で、市民が座ったり、休憩したりしている。誰かが床に座っているというだけで、その人がホームレスだと決めつけたり、排除したりすることはできない」と語った。

■見知らぬ人でも関心を

 女性団体の婦女救援基金会は、事件が国慶節(双十節、建国記念日、10月10日)連休前日に駅のコンコースという人の多い場所で発生したにもかかわらず、現場で誰も介入しなかったことについて、社会が性暴力に対して冷たい現状を浮き彫りにしたと指摘した。見知らぬ人でも知らないふりをせず協力するよう教育し、周知すべきだと政府に提言した。

 台北市政府社会局は15日、事件で逮捕された男は指名手配されていた容疑者で、登録されているホームレスではないとして、ホームレスへの偏見を持たないでほしいと呼びかけた。

 台北市に登録されているホームレスは403人で、うち台北駅周辺には202人いる。台北市政府は、2週間連続で野宿している人を発見した場合、登録して支援を行い、ソーシャルワーカーが巡回して健康状態の確認や医療の必要性などを確認していると説明した。

 

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