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ヤゲオの芝浦電子TOB成立、AIサーバー向け充実【図表】(トップニュース)


ニュース 電子 作成日:2025年10月22日_記事番号:T00124813

ヤゲオの芝浦電子TOB成立、AIサーバー向け充実【図表】(トップニュース)

 受動部品最大手、国巨(ヤゲオ)は21日、温度センサー大手、芝浦電子(本社・埼玉県さいたま市)の株式公開買い付け(TOB)成立を受け、東京都内で芝浦電子と共同記者会見を開いた。「Stronger Together(共にあくなき成長を目指して)」という共通の信念に基づき、業界をリードする両社の連携を示すものだ。ヤゲオの主力製品、世界首位のチップ抵抗器やタンタルコンデンサ、世界3位の積層セラミックチップコンデンサ(MLCC)に、芝浦電子の主要製品NTCサーミスタが加わり、AI(人工知能)サーバー向けラインアップが充実する。22日付工商時報などが報じた。

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 ヤゲオは5月9日、TOBを開始し、9月2日に日本政府から外国直接投資(FDI)が承認され、10月20日にTOB期間が終了した。応募率は87.33%で、TOBが成立した。決済開始日は27日。買収額は220億台湾元(約1090億円)以上。

 ヤゲオは引き続き、芝浦電子株の100%取得を目指す。芝浦電子は2026年第1四半期(1〜3月)に上場廃止となる予定だ。

■売上高5%増

 ヤゲオは記者会見で、企業発展の歴史や成長戦略、グローバル展開、事業実績、そして芝浦電子との協業によって期待されるシナジー効果について説明した。ヤゲオは芝浦電子とともに、日本と台湾の企業間の新たな協業モデルを築き、経済やテック分野の互いのリーダーシップをさらに強固にすると説明した。

 ヤゲオの陳泰銘・董事長は、AI需要が拡大する中で、芝浦電子の温度センサーは重要な役割を果たすと指摘した。欧米向けに販路を広げ、生産能力も拡大する計画と説明した。

 ヤゲオの売上高は、芝浦電子が加わり、5%増える見込みだ。車載向け、産業向け製品が増え、日本市場も拡大できる。

■買収で規模拡大

 ヤゲオは近年、M&A(合併・買収)で規模を拡大している。20年に米国のケメットを買収した。NEC子会社だったトーキンは17年にケメットの完全子会社になっており、20年にヤゲオの完全子会社となった。23年には仏シュナイダーエレクトリックのセンサー事業、テレメカニック・センサーズを買収したほか、独ヘレウスから白金温度センサーを手掛けるヘレウスネクセンソス事業部を買収した。

 24年は金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の富鼎先進電子(アドバンスド・パワー・エレクトロニクス、APEC)や電源管理IC(PMIC、パワーマネジメントIC)の力智電子(UPIセミコンダクター)に出資、25年9月に電源管理ICの茂達電子(アンペック・エレクトロニクス)に21%出資するなど、半導体分野を強化してきた。

 ヤゲオは電源管理ICやモーター用ドライバICが加わり、受動部品から能動部品まで製品ラインアップが拡充した。

 業界では、来年は主要クラウドサービスプロバイダー(CSP)各社の特定用途向けIC(ASIC)サーバーが増える見通しで、MLCC需要が拡大すると予想されている。特にMLCCは大きいサイズが主力で、使用量はスマートフォンの3倍以上だ。

 

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