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TSMCの先進封止CoWoSフル稼働、外部発注拡大へ【図表】(トップニュース)


ニュース 電子 作成日:2025年12月8日_記事番号:T00125755

TSMCの先進封止CoWoSフル稼働、外部発注拡大へ【図表】(トップニュース)

 業界内の話によると、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、人工知能(AI)半導体向け先進パッケージング(封止)技術、チップ・オン・ウエハー・オン・サブストレート(CoWoS、コワース)の受注が満杯でフル稼働のため、生産能力を拡大するほか、半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)最大手、日月光投資控股(ASEテクノロジー・ホールディング、ASEH)への委託を拡大しているようだ。グラフィックスプロセッサー(GPU)大手、米エヌビディアなど大口顧客の力強い需要は、来年末まで続くとみられる。8日付経済日報などが報じた。

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 TSMCは7日時点まで、コメントしなかった。

 サプライチェーン(供給網)関係者は、TSMCはCoWoS-Lの生産能力を拡大しており、CoWoS-Sは生産設備を移す方法でボトルネックを解消していると説明した。TSMCはかつては自社で一貫して生産していたが、今は外部の協力メーカーへの委託を拡大している。顧客は、▽エヌビディア、▽アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、▽アップル、▽ブロードコム──などのクラウドサービス業やIC設計会社。

 証券会社は、TSMCは2026年末までに、CoWoSの月産能力を現在の7万5000~8万枚から、12万~13万枚に引き上げる計画と予想した。

 市場調査会社、カウンターポイント・リサーチは、TSMCはCoWoS-Lの生産能力を拡大しており、月産能力は2026年末までに10万枚に上ると予測した。主にエヌビディアのGPUや特定用途向けIC(ASIC)向けとなる。

 TSMCの魏哲家(シーシー・ウェイ)董事長は以前、業績説明会で、自社の増産と外部委託拡大で、26年までにCoWoSの需給が均衡するようにしたいと語った。

■ASEHも投資拡大

 TSMCの外部発注拡大で、ASEH子会社の日月光半導体製造(アドバンスド・セミコンダクター・エンジニアリング、ASE)と矽品精密工業(SPIL)は設備投資を拡大している。過去2カ月で設備などに合計111億7300万台湾元(約550億円)投じた。今後さらに投資する可能性がある。

 ASEが購入したガリウムヒ素(GaAs)ファウンドリー大手の穏懋半導体(ウィン・セミコンダクターズ)の南部科学園区(南科、南部サイエンスパーク)高雄園区(高雄市路竹区)の工場では、来年設備を搬入する予定だ。SPILの彰化県二林鎮の工場や雲林県斗六市の工場は来年稼働する見通しだ。

 ASEHは、今年の先進封止の売上高目標16億米ドルを達成できる見通しだ。来年は10億米ドル以上増加すると予測した。

 設備業者は、ASEHの先進封止の生産能力は来年末に2万~2万5000枚、4倍以上に拡大すると予測した。

■CoWoP受注か

 業界内の話によると、エヌビディアが研究開発(R&D)している先進封止技術、チップ・オン・ウエハー・オン・プリント基板(PCB、CoWoP)はSPILが受注したようだ。

 CoWoPはCoWoSに続く技術として注目されている。CoWoPでは、シリコンインターポーザー(中間基板)を直接PCBに実装し、CoWoSで使用する高価なABF基板が不要になり、コストを削減できる。

 PCBメーカーの▽臻鼎科技(ZDT)、▽欣興電子(ユニマイクロン・テクノロジー)、▽華通電脳(コンペック・マニュファクチャリング)──などはサンプル出荷しているようだ。

 

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