11月米国向け輸出総額、AI・HPC需要で過去最高【図表】（トップニュース）

　財政部統計処が9日発表した11月の輸出総額は、前月比3.6％増、前年同月比56.0％増の640億5300万米ドルで、過去最高を更新した。主な輸出先別では、米国向けが前年同月の2.8倍の244億1800万米ドルで過去最高だった。輸出総額の38.1％を占め、中国向けは25.3％だった。AI（人工知能）やハイパフォーマンス・コンピューティング（高性能計算、HPC）需要が続いているためだ。10日付経済日報などが報じた。

■米国向け、ICT製品中心

　米国向け輸出額は、情報通信技術（ICT）製品とオーディオ・ビジュアル（AV）製品が前年同月の4.2倍の206億9600万米ドルで、84.8％を占めた。

　中国・香港向けの11月輸出額は、前年同月比16.5％増の162億700万米ドルで、過去3年7カ月で最高だった。製品別では、半導体など電子部品が27.6％増加したが、ICT・AV製品は5.8％減少した。

　欧州向けは前年同月比36.8％増の41億600万米ドルで、過去2番目の高水準だった。製品別では、▽ICT・AV製品、74.9％増、▽機械、57.2％増、▽電子部品、41.9％増──が大幅に増加した。特に▽アイルランド、▽フィンランド、▽チェコ、▽ドイツ──向けICT・AV製品の輸出が大幅に増加した。

■半導体など、過去最高

　主要製品別の輸出額は、半導体など電子部品は前年同月比29.3％増の216億3200万米ドルで、過去最高だった。

　ICT製品とAV製品は前年同月の2.7倍の283億5500万米ドルで、過去最高だった。

　パネルなど光学・精密機器は前年同月比8.6％増の10億6200万米ドルだった。

　従来型産業は、▽鉱産物、11億2300万米ドル（前年同月比2.1％増）──が増加した一方、▽ベースメタル（卑金属）、22億1700万米ドル（5.8％減）、▽化学品、15億200万米ドル（0.7％減）、▽プラスチック・ゴム製品、14億6300万米ドル（13.6％減）──などは減少した。

■通年でも過去最高へ

　1～11月の輸出総額は前年同期比34.1％増の5784億9100万米ドルで、過去最高だった。

　12月の輸出総額は前年同月比40～45％増の610億～632億米ドルの予測。

　第4四半期（10〜12月）の輸出総額は前年比36.8％増の1723億米ドルで、過去最高になる予測だ。

　通年でも初めて6000億米ドルを超え、過去最高を更新する見通しだ。