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中国が優遇措置、国民党との常設対話や農産物輸入促進【図表】(トップニュース)


ニュース 政治 作成日:2026年4月13日_記事番号:T00127864

中国が優遇措置、国民党との常設対話や農産物輸入促進【図表】(トップニュース)

 台湾の最大野党、国民党の鄭麗文・主席(党首)が10日に習近平・共産党総書記(中国国家主席)と会談したのに続き、中国で対台湾政策を担当する中央台湾工作弁公室(中台弁、国務院台湾事務弁公室=国台弁の別称)は12日、1992年の共通認識(92共識、92コンセンサス。中台が「一つの中国原則」を口頭で確認したとされるが、民進党は存在を認めていない)を堅持し、台湾独立(台独)に反対することを前提として、常設の対話の枠組みを構築し、台湾の農水産物の中国輸入を促進するなどの10項目から成る両岸(中台)交流と協力の促進措置を発表した。中国と対話ができるパイプや経済的メリットをアピールし、今年11月の統一地方選挙に向け民進党政権に圧力をかける狙いだ。13日付中国時報などが報じた。

/date/2026/04/13/00china_2.jpg鄭・主席(左)は、習・総書記(右)との会談で、第一歩を踏み出し、残り99歩も着実に進めると語った(10日=中央社)

 国民党の鄭・主席は7~12日に中国を訪問し、10日に習・総書記と会談した。国民党の現職主席と習・総書記との会談は、16年11月に洪秀柱・主席(当時)が会談して以来、約10年ぶり。

 習・総書記は、92共識を堅持し、台独に反対する共同の政治的な基礎の上で、国民党を含む台湾の政党や団体、社会との交流、対話を強化すると表明した。「両岸一家親(中台は一つの家族)」の理念を堅持し、台湾の同胞に実益をもたらし、困難を解決すると述べた。農水産物など台湾の質の高い製品や商品が大陸の多くの家庭に届くことを歓迎すると語った。

 その直後、12日に中台弁が10項目の両岸交流協力促進措置を発表した。▽国民党と共産党の対話の枠組み、▽中台間の航空の直行便や人の往来の正常化、▽台湾の食品や農水産物の輸入促進、▽台湾のドラマやアニメなどコンテンツの放映──などから成る。

 国民党と共産党の対話では、92共識と台独に反対することを前提に、常設の対話の枠組みを構築する。このほか、両党の青年が定期的に交流する制度を設け、共産党の青年団体が毎年、台湾の青年団体を20組招待する。

 食品面では、検疫に合格した台湾産の農水産物や、食品の中国輸入を促進する。農水産物は、中国での展示会などへの出展、販路拡大を支援する。台湾の遠洋漁船の寄港や水産物の水揚げに対応する埠頭の整備、水産物の中国での販売を推進する。

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 コンテンツに関しては、内容が健全で、良好な制作物と判断した台湾のテレビドラマやドキュメンタリー、アニメを中国で放映することを認める。台湾の企業が中国大陸のショートドラマの制作に参画することを認める。台湾の中小企業や零細企業の中国市場の開拓を支援する。

 人的往来では、中台間の旅客輸送の直行便の運行正常化を進め、▽ウルムチ市(新疆ウイグル自治区)、▽西安市(陝西省)、▽ハルビン市(黒竜江省)、▽昆明市(雲南省)、▽蘭州市(甘肅省)──の直行便の早期再開を支援する。台湾の離島の金門県の住民がアモイの新空港(廈門翔安国際空港)を利用することを支援する。また、上海市と福建省の住民が台湾(本島)を個人旅行することを再開する。このほか、福建省の沿岸で準備が整い次第、台湾の離島の金門県と馬祖列島(連江県)との間で、電力や水道、ガスを供給したり、橋梁を建設する計画だ。

 なお、中台関係は、民進党の蔡英文・政権(2016~24年)発足後に緊張が高まり、中国は19年8月に台湾を訪れる個人旅行許可証(ビザ)の発給を停止した。20年以降は新型コロナウイルス流行を理由に、団体旅行も中断した。24年8~9月に、福建省の住民に限定して、離島の金門・馬祖への個人旅行と団体旅行を再開した以外は、台湾旅行は解禁されていない。

 このほか、蔡・政権では、パイナップルなどの果物や水産物などの中国輸入が制限され、頼清徳・政権(民進党、24~28年)になっても、一部以外は再開されていない。

■民進党、「経済を武器化」と批判

 両岸交流協力促進措置の発表を受け、国民党の鄭・主席は、党内で作業部会(ワーキンググループ)を立ち上げて推進し、中国との連絡窓口も設置すると説明した。台湾の青年、農業や漁業従事者、観光や旅行業界、中小企業・零細企業に直接の利益をもたらすものだと語った。国民党は両岸の架け橋として今後も、両岸の平和的な発展がもたらす生活の向上を市民に実感してもらうと説明した。

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 一方、行政院の李慧芝・報道官は、これまでの経験を見る限り、中国共産党は開放を実施しなかったり、特定の対象に限定したりと、不確実性が極めて高く、これでは、交流を道具に、経済や貿易を武器にする「統戦(統一戦線工作)」の脅しだと批判した。政府に関する事項は、双方の政府が既存の体制で協議するべきで、また、政治的な前提を設けるべきではないと述べた。

 淡江大学中国大陸研究中心の洪耀南・副主任は、これは、政治的な前提を認めた特定の政党だけが実際の問題を解決できるという北京のシグナルで、台湾社会を分断する狙いだと説明した。

 

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