ニュース 電子 作成日:2026年5月27日_記事番号:T00128694
半導体サプライチェーン(供給網)関係者によると、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は下半期(7~12月)に3ナノメートル製造プロセスでの受託生産価格を15%値上げするようだ。2027年にさらに5~10%値上げする可能性がある。業界関係者は、3ナノは従来、スマートフォン向けシステムオンチップ(SoC)需要に支えられていたが、AI(人工知能)台頭で、グラフィックスプロセッサー(GPU)大手、米エヌビディアなどがAIアクセラレーターや特定用途向けIC(ASIC)などにTSMCの3ナノを採用しているため、フル稼働が続いていると説明した。27日付工商時報が報じた。
TSMCの魏・董事長(左)ら経営陣は26日、エヌビディアのフアンCEO(右)と台北市大安区の有名レストランで会食した(26日=中央社)
ASIC業界関係者は、3ナノの値上げは、特定の顧客の緊急発注での一時的なものではなく、先進製造プロセスの需給構造が根本的に変わったためだと説明した。従来、3ナノは主にスマホ向けSoC需要が支えていたが、今は▽エヌビディア、▽アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、▽グーグル、▽アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)──や多くのクラウドサービスプロバイダー(CSP)がAIサーバーやAIトレーニング用半導体などに3ナノを採用しており、需要が急拡大していると説明した。

TSMCの3ナノを採用している顧客は、▽エヌビディア、半導体プラットフォーム「Vera Rubin(ベラルービン)」向けGPUの「VR200」「VR300」、▽AMD、AIアクセラレーターの「AMDインスティンクトMI350シリーズ」、▽グーグル、自社開発のAIや機械学習向けプロセッサー(TPU)第8世代モデル「TPU v8p」など、▽AWS、AIアクセラレーター向け半導体「Trainium 3」──など。
IC設計会社、世芯電子(アルチップ・テクノロジーズ)の沈翔霖・董事長は26日、3ナノの需給は非常に逼迫(ひっぱく)しており、メモリー以上に深刻だと語った。CSP大手が自社開発のAI半導体に注力するに伴い、AIアクセラレーターやカスタマイズ推論用半導体などASIC需要が急速に拡大している。先進製造プロセス採用は、スマホからAIインフラに移行していると指摘した。
サプライチェーン関係者は、TSMCの3ナノの主な生産拠点の南部科学園区(南科、南部サイエンスパーク)台南園区の工場(Fab 18)の稼働率は高水準で推移していると明かした。3ナノ月産能力は年初の13万枚から、第2四半期(4~6月)に16万~17万5000枚に引き上げたが、AI需要の拡大は予測を上回ると説明した。
■エヌビディアCEOと面会
TSMCの魏哲家(シーシー・ウェイ)董事長ら経営幹部は26日夜、訪台しているエヌビディアのジェンスン・フアン(黄仁勲)最高経営責任者(CEO)と会食した。
フアンCEOは、TSMCの協力に特に感謝しており、必要な生産能力と部品を確保するため、下半期(7~12月)は非常に忙しくなると語った。
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