ニュース 電子 作成日:2026年6月2日_記事番号:T00128804
きょう2日開幕したアジア最大級の情報技術(IT)見本市、台北国際電脳展(コンピューテックス台北)に合わせ、米エヌビディアは1日、技術カンファレンス「GPUテクノロジーカンファレンス(GTC)台北」を開催し、ジェンスン・フアン(黄仁勲)最高経営責任者(CEO)が基調講演を行った。フアンCEOは、AI(人工知能)の発展は生成AIから自律型AI(AIエージェント)の時代に突入し、「ついに有用なAIが到来した」と宣言した。IC設計最大手、聯発科技(メディアテック)と共同開発したパソコン向けAI半導体「エヌビディア RTX Spark」を発表し、端末での高度なAI処理を実現する。2日付工商時報などが報じた。
エヌビディアのフアンCEOは1日、RTX Sparkを搭載したノートPCを披露した(1日=中央社)
RTX Sparkは、エヌビディアとメディアテックがCPU(中央演算処理装置)を共同開発し、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の3ナノメートル製造プロセスを採用した。電子機器受託生産大手、英業達(インベンテック)が端末の組み立てを担う。
RTX Sparkを搭載したマイクロソフト(MS)の基本ソフト(OS)「Windows(ウインドウズ)」のPCが今秋に発売される。第1弾は、デルやHP、華碩電脳(ASUS)、微星科技(マイクロスター・インターナショナル、MSI)、聯想集団(レノボ)などの40機種以上が発売され、価格は2000~3000米ドルからとみられている。
フアンCEOが講演のスライドで提示した台湾の提携パートナーリストには、TSMCやメディアテック、鴻海精密工業(ホンハイ・プレシジョン・インダストリー)など100社以上が名を連ねた(1日=中央社)
メディアテックのヴィンス・フー・シニア副総経理兼データセンター演算事業群総経理は、RTX Sparkによって、個人用PCの端末側で、かつてない高度なAI処理を実行できると説明した。
フアンCEOは、ユーザーが指示を出すだけで、PCが仕事を遂行するようになり、「40年ぶりのPCの再発明だ」と述べた。
■ベラ・ルービン出荷開始
フアンCEOは、AIエージェント向け半導体プラットフォーム「Vera Rubin(ベラルービン)」を搭載したAIサーバーの出荷を開始したと明かした。ベラルービンのサプライチェーンの規模は、前世代のBlackwell(ブラックウェル)の2倍で、サーバーラックの組み立ては従来の2時間から5分に短縮したと説明した。
フアンCEOは、ベラルービンがスムーズに量産に入れるのは、台湾の高度で高効率のサプライチェーン(供給網)のおかげだと謝意を示した。
フアンCEOが訪台で必ず訪れるお気に入りのレストラン「王記府城肉粽」「花娘小館」「富霸王豬腳」「磚窯古早味懐旧餐庁」なども、サプライヤーリストに登場した(1日=中央社)
■AIで利益創出
フアンCEOは、AIでビジネスモデルが急速に変化する中、企業が必要とする計算能力がますます拡大していると述べた。トークン(テキスト生成AIの最小処理単位)はもはや収入の単位となり、AIの応用が利益を生み出すと語った。AIファクトリー(AI工場)建設が進むにつれ、台湾のサプライチェーンの需要も拡大すると指摘した。
またフアンCEOは、多くの人が心配しているのが、AIエージェントでソフトウエア会社が倒産し、エンジニアが失業することだが、実際には全く逆だと語った。今後、AIエージェントが次々と生まれ、ソフトウエアがもっと必要になり、エンジニアの仕事はむしろ増えると主張した。
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