ニュース 電子 作成日:2026年7月1日_記事番号:T00129346
受動部品の台湾最大手、国巨(ヤゲオ)は7月1日から積層セラミックチップコンデンサ(MLCC)、タンタルコンデンサーなど全シリーズを値上げすると顧客に通知したようだ。地政学要因でエネルギーや原材料価格が高騰し、コストが増加したと説明したという。AI(人工知能)サーバー需要が拡大する中、受動部品大手の華新科技(ウォルシン・テクノロジー)も6月初旬に値上げしている。1日付経済日報などが報じた。

あるサプライヤーは、MLCC世界最大手の村田製作所やサムスン電機が、AI向けの単価が高い高容量MLCCを優先して生産してフル稼働のため、ヤゲオにMLCCの転注が増えていると指摘した。
サプライヤーによると、ヤゲオが値上げする製品は、AIサーバーに多く搭載されるMLCCをはじめ、▽タンタルコンデンサー、▽アルミ電解コンデンサー、▽導電性高分子アルミ電解コンデンサー、▽薄膜コンデンサー(TFCP)、▽電気二重層コンデンサー(スーパーキャパシタ、EDLC)──など全シリーズで、売上高構成比は50%。値上げ幅は顧客によって異なる。
値上げ対象は、代理店だけでなく、EMS(電子機器受託製造サービス)やOEM(相手先ブランド製造)など直接の顧客も含まれ、スポット価格も契約価格もいずれも値上げするようだ。ヤゲオの公開情報によると、顧客はEMSが20.4%、OEMが35%を占める。
■AIサーバーに多数搭載
グラフィックスプロセッサー(GPU)大手の米エヌビディアの半導体プラットフォーム「Vera Rubin(ベラルービン)」を搭載した「VR NVL 144」のハイエンド仕様は、受動部品が100万個以上搭載されている。部品表(BOM)コストは従来、最下位だったが、今やGPU、メモリーに次ぐ規模だ。
証券会社は、AIサーバーやハイパフォーマンス・コンピューティング(高性能計算、HPC)、EVの需要拡大に伴い、ハイエンドの受動部品の需要も拡大していると指摘した。1台当たりの搭載数が増加したほか、高容量・高耐圧・高信頼性製品の需要が高まっている。
MLCCは、主にAIサーバーやスマートフォン、パソコン、カーエレクトロニクス、産業用設備に使われている。タンタルコンデンサーは信頼性と安定性が高く、サーバーや基地局、航空宇宙設備などに幅広く採用されている。
アルミ電解コンデンサーと導電性高分子アルミ電解コンデンサーは、電源装置やAIサーバー、電気自動車(EV)など高出力の機器に搭載されている。薄膜コンデンサーは主に新エネルギー、産業制御、車載用に使われている。スーパーキャパシタは蓄電やスマートグリッド、産業制御への導入が進んでいる。
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