ニュース 運輸 作成日:2026年7月24日_記事番号:T00129803
行政院は23日、台湾高速鉄路(高鉄)の南港駅(台北市南港区)~宜蘭県の延伸計画を閣議決定した。全長60.6キロメートルで、総工費は3521億7500万台湾元(約1兆7900億円)。11年後の2037年にも開通する予定で、高鉄台北駅から宜蘭駅まで28分で結ばれる。ただ、賀陳旦・元交通部長や宜蘭県の地元住民は、高鉄の宜蘭延伸計画の環境影響評価(環境アセスメント)を不服とし、行政不服審査を申し立てている。もし棄却され、行政訴訟に発展した場合、工事の中断もあり得る。24日付中国時報などが報じた。
高鉄の宜蘭延伸計画の路線図(オレンジ色の路線)(交通部鉄道局公式サイト)
交通部の計画によると、延伸部分は南港駅から、新北市の▽汐止区、▽平渓区、▽双渓区、▽貢寮区──を経由して宜蘭県に入り、宜蘭県政府(県庁)の南東側に開設予定の宜蘭駅までを結ぶ。昨年8月に環境アセス審査、昨年末に国家発展委員会(国発会)の審査を通過した。閣議決定から11年後の37年に開通する見通しだ。台北駅から宜蘭駅までは28分、南港駅から宜蘭駅は20分で結ばれる。
交通部の伍勝園・次長は、高鉄宜蘭駅の構内に国営台湾鉄路(台鉄)の新駅を併設し、スムーズに乗り換えできるようにすると説明した。
卓栄泰・行政院長は、高鉄の宜蘭延伸で、台北市と宜蘭県を結ぶ北宜高速公路(国道5号)の渋滞を解消できるほか、台鉄に依存する東部の鉄道輸送力を拡大できると説明した。
■反対の声根強く
監察院は今年5月、台北市と宜蘭県を結ぶ台鉄のバイパス新線「北宜直線鉄道」計画から、高鉄の延伸計画への変更で、実現可能性調査(フィジビリティスタディ)の手続きに瑕疵(かし)の疑いがあるなどと指摘する調査報告書を発表した。宜蘭県出身の呉澤成・元行政院政務委員は、乗車率が低ければ、巨額の予算が無駄になると主張した。
蔡英文・総統時代に交通部長を務めた賀陳氏や、行政院政務委員を務めた張景森氏も、高鉄の宜蘭延伸計画に反対している。
賀陳・元交通部長と宜蘭県の地元住民は今年2月、高鉄の宜蘭延伸計画の環境アセスメントを不服とし、行政不服審査を申し立てた。行政院は、5カ月以内に回答しなければならない。代理人を務める詹順貴・弁護士は、5カ月経っても回答がなければ、行政訴訟を提起する計画だと述べた。行政訴訟に発展した場合、工事の中断に追い込まれる可能性がある。
時代力量など小規模政党から成る台湾前進陣線は22日、高鉄の宜蘭延伸計画は選挙のためのバラマキ公約だと批判した(22日=中央社)
■屏東への延伸計画も
高鉄の屏東県への延伸計画もある。行政院は、27年の環境アセス通過が目標だと説明した。高雄市の左営駅から台鉄高雄駅を経由して、屏東県屏東市の台鉄・六塊厝駅付近に新設する屏東駅までを結ぶ路線で、全長は26.2キロメートル。
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