第635回 大気汚染防止費用の過少申告 - ワイズコンサルティング@台湾
HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

第635回 大気汚染防止費用の過少申告


ニュース 法律 作成日:2026年9月21日_記事番号:T00130906

知っておこう台湾法

第635回 大気汚染防止費用の過少申告

 台湾には大気汚染を防ぐために制定された大気汚染防止法(中国語:空氣污染防制法、以下法令名を省略します)という法律が存在し、大気汚染物を排出する場合、その種類および排出量に応じて、大気汚染防止費用が徴収されます。

 また、第20条により、工場などの固定汚染源(自動車等自らの動力によって位置を変える汚染源以外の汚染源を指します)が大気汚染物を排出する場合、固定汚染源大気汚染排出基準(中国語:固定污染源空氣污染物排放標準)に適合しなければなりません。

 そして、第54条により、同法の規定に基づき申請・申告の義務を負う者が、虚偽であることを知りながら虚偽の申請・申告を行った場合などには、3年以下の懲役、拘留、または20万台湾元以上500万元以下の罰金が科されもしくは併科されます。

 さらに、第57条により、法人の代表者などが、業務の執行に際して、第54条の罪を犯した場合、同条に基づき法人の代表者などを処罰するほか、当該法人に対しても、同条に定める罰金の10倍以下の罰金が科されます。

■過少申告で懲役も

 2026年9月1日、環境部環境管理署は、台中市の大手建材塗装業者が大気汚染防止費用を意図的に過少納付していた事実を公表しました。同件は、上記第54条、第57条違反および刑法上の詐欺利得罪(刑法第339条第2項)で立件され、法人を含む計3人が起訴されました。さらに、検察は不足する大気汚染防止費用(犯罪収益)である約5900万元の没収を裁判所に申し立てました。

 上記のとおり、大気汚染に関する規制は極めて厳しく、大気汚染物の排出に関して過少申告を行った場合などには懲役刑まで規定されています。さらに、行為者だけでなく会社まで処罰する両罰規定が存在します(しかも罰金額が10倍まで加重されます)。

 このように、会社は、過少申告分の費用を没収されるだけでなく、極めて高額な罰金まで科される恐れがあるため、大気汚染防止法およびその関連規定に違反しないよう特に注意する必要があります。

 

*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。

福田優二弁護士

福田優二弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

大学時代に旅行で訪れて以来、台湾に興味を持ち、台湾に関連する仕事を希望するに至る。 司法修習修了後、高雄市にて短期語学留学。2017年5月より台湾に駐在。 クライアントに最良のリーガルサービスを提供するため、台湾法および台湾ビジネスに熟練すべく日々研鑽を積んでいる。

知っておこう台湾法