ニュース その他製造 作成日:2026年9月24日_記事番号:T00130990
セメント最大手の台湾水泥(TCCグループホールディングス)は23日、ウクライナのセメント2位のイヴァーノ=フランキーウシクセメント(IFCEM)など建設材料メーカー4社の株式100%を最大7億5000万ユーロ(約1350億円)で取得すると発表した。ロシアの侵攻で破壊されたウクライナの復興を支援する。24日付経済日報などが報じた。
IFCEMのウクライナ西部イヴァーノ=フランキーウシク工場(23日=中央社)
買収する予定の4社は、▽IFCEM、▽屋根材メーカーのイヴァーノ=フランキーウシク・ダフ、▽石膏製品メーカーのKRUギプス、▽プレミックスモルタルメーカーのKRUミックス──。買収には、台湾やウクライナなどの主管機関の承認が必要だ。
TCCによると、IFCEMはウクライナ2位のセメントメーカーで、ウクライナ市場シェアは36%。年間生産能力は400万トン。生産拠点はウクライナ西部のイヴァーノ=フランキーウシクにあり、南東部の紛争地域から約760キロメートル離れている。2022年2月24日にロシアのウクライナ侵攻が始まって以降、IFCEMは人員確保や調整を進め、製造販売を継続している。
IFCEMの公式サイトによると、25年の売上高は前年比20.3%増加した。粗利益は40.3%増の64億4200万フリヴニャ(約230億円)で、粗利益率は39.6%に前年比5.6ポイント上昇した。営業利益は51.2%増の53億7700万フリヴニャで、EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は46.2%増の64億7300万フリヴニャで、EBITDAマージン(EBITDA率)は39.8%。純利益は44.5%増加し、純利益率は26.4%だった。
ウクライナのセメント業界の統計によると、ウクライナのセメント消費量は、ロシアの侵攻前の21年の1061万トンから、22年に450万トンに減少し、近年は620万〜650万トンに回復している。IFCEMはウクライナ域内のほか、近隣のポーランドやルーマニア、モルドバ、スロバキア、ハンガリーに輸出している。
また、ウクライナ政府と世界銀行(世銀)、欧州連合(EU)、国際連合(国連)が2月に発表した第5次被害・ニーズ調査(RDNA5)によると、ウクライナの復興に必要な費用は今後10年間で5880億米ドルで、ウクライナの25年の名目GDP(国内総生産)の約3倍に相当する。特に住宅や交通、エネルギーの被害が深刻だ。
TCCは、買収を通じ、既存市場の西欧や南欧から、東欧に拡大できると説明した。EUの炭素国境調整措置(CBAM)の本格適用に対応するため、TCCの低炭素セメントの研究開発(R&D)や生産の経験をIFCEMに生かすと説明した。
■欧州3位へ
TCCは、欧州市場向けの生産拠点が▽トルコ、年間生産能力2400万トン、▽ポルトガル、1120万トン、▽カメルーン、120万トン──にある。業界関係者によると、TCCの生産能力はトルコを除くと欧州上位5社、トルコを含めると欧州上位3社に入る。

TCCはかつては台湾と中国向けの売上高が50%以上を占めていたが、26年上半期(1〜6月)では38%に低下した。張安平・董事長の17年の就任以来、欧州市場に注力し、欧州の売上高構成比は44%に上昇し、台湾・中国向けを上回った。
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