ニュース その他分野 作成日:2026年10月8日_記事番号:T00131217
日系企業などで構成する台北市日本工商会は7日、台湾政府に対する政策提言や要望をまとめた2026年版白書を国家発展委員会(国発会)の葉俊顕・主任委員(大臣に相当)に提出した。18回目となる今年は、法人会員を対象に初めてアンケートを実施して幅広い業種の声を集約し、▽予見性の低い行政運用、▽国際水準と乖離した規制、▽投資・事業活動上の人材・電力の制約──の3つを構造的な課題として挙げ、改善を求めた。8日付工商時報などが報じた。
台北市日本工商会の増田裕一理事長(台湾三井物産の董事長兼総経理、右)は7日、国発会の葉・主任委員(左)に白書を手渡した(7日=中央社)
台北市日本工商会は2009年から毎年、白書を提出している。今年は台湾の事業環境に関するアンケート調査を実施し、法人会員約500社のうち7割以上から回答を得た。台湾の事業環境に対する満足度は全般的に高く、▽住環境・治安、満足度96%、▽ビジネスインフラ、90%──だった一方、▽行政対応、76%、▽人材確保・労働規制、54%──にとどまった。
予見性の低い行政運用では、長期間にわたる煩雑な手続きや、担当者によって異なる不透明な判断基準などを問題視した。実際の事例として、再生可能エネルギーで売電許可が遅れ、資金繰りに影響したことなどを挙げた。
国際水準と乖離した規制では、過剰な輸入規制や台湾独自の厳格な規制などを指摘し、食品輸入規制や医薬品、再生可能エネルギーの事例を挙げた。
人材については、アンケート調査で「人材・労働力確保並びに労働規制」に対し半数近い46%の企業が何らかの不満を抱えており、慢性的な人手不足を訴える声が寄せられたと指摘した。労働者保護を重視した制度運用の結果、企業運営の柔軟性を制約していると訴えた。
電力供給については、AI(人工知能)普及に伴う電力需要の急増が見込まれる中、電力の安定供給やグリーン電力の確保への不安を示す回答が複数あったと指摘した。
■政府との定期協議を要望
台北市日本工商会は、こうした構造的課題が改善されない場合、日本企業の台湾投資が停滞し、サプライチェーン(供給網)の弱体化、エネルギー転換の遅れ、先端産業協力機会の逸失などにつながる恐れがあるとして懸念を示した。
具体的な改善要望として、▽許認可プロセスの透明化・迅速化、▽企業活動に対応する柔軟な行政対応、▽関税引き下げ、非関税障壁解消、経済連携協定(EPA)締結、▽人材・労働力・電力制約の解消──などを求めた。その上で、行政院や関係省庁と日本工商会との間で、定期的に進捗(しんちょく)を確認し、課題を共有する場の新設を要望した。
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