ニュース 電子 作成日:2026年11月2日_記事番号:T00131634
AI(人工知能)サーバーなど電子機器受託製造サービス(EMS)最大手、鴻海精密工業(ホンハイ・プレシジョン・インダストリー)の劉揚偉・董事長は30日、AIインフラ需要は鈍化の兆しがみられず、2027年の連結売上高も前年比10%以上増加すると予測した。今年のAIサーバーラック生産量は週2000台と、前年と比べ倍増しており、今後数年以内に市場シェアが50%に届くと予想した。31日付経済日報などが報じた。
鴻海の劉・董事長は、現在インターネットを使わない人がいないように、AIを使用しない人も企業もいつかいなくなり、AIバブルは起こり得ないと述べた(30日=中央社)
鴻海は30〜31日、年1回の成果発表会、鴻海科技日(鴻海テックデー、HHTD)を台北南港展覧館(TaiNEX)1館で開催した。情報通信技術(ICT)製品やAIインフラ、電気自動車(EV)、ロボットなどのソリューションを展示した。
劉・董事長は、AI需要は非常に巨大で、需要元は主に▽大規模言語モデル(LLM)のAIモデルメーカー、▽クラウドサービスプロバイダー(CSP)、▽政府、▽企業──の4つだが、現在は主にAIモデルメーカーとCSPの需要で、政府や企業の需要は本格化していないと指摘した。まだAIの活用方法を模索している段階で、将来の需要はもっと大きいと述べた。
■売上高の6割以上へ
鴻海はかつてアップルのiPhone組み立てが主力だったが、今やAIインフラが新たな成長の柱だ。
劉・董事長は、米CNBCのインタビューで、鴻海のAIサーバー製造の市場シェアは現在40%で、27年は45%前後、今後数年以内に50%に届くと述べた。AIサーバーの生産能力は1年半先まで全て押さえられており、今後3〜5年以内に、AIインフラ(エッジAI含まず)が鴻海の売上高の60〜65%を占めると予測した。
劉・董事長は、AIサーバーからデータセンターまでサプライチェーン(供給網)を広げており、AI関連投資は年30億〜50億米ドルの計画を上回る可能性があると語った。
■オープンAIのCEOと面会
鴻海は鴻海テックデーで、グラフィックスプロセッサー(GPU)大手、米エヌビディアの「DSX POD」に基づくコンテナ型AIデータセンターを展示した。劉・董事長は、消費電力を30%削減し、電力1ワット当たりのトークン(AIが処理する情報の最小単位)生成量が50%増加したと説明した。電力や冷却水の配管を効率的に配置して損失を最小限に抑える必要があり、一部のケーブルは自社製造するなど、垂直統合の優位性をアピールした。
劉・董事長は、29日に訪台した生成AI「ChatGPT(チャットGPT)」を開発した米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)と面会したと明かした。鴻海は昨年、オープンAIと提携すると発表しており、劉・董事長は、具体的な提携内容は、今後公表すると述べた。
■EV、3車種発表
鴻海は、新たに▽スポーツ用多目的車(SUV)の「モデルAプラス」、▽SUVの「モデルKプラス」、▽軽トラックなど小型商用車「モデルK」──のEVリファレンスデザインを発表した。いずれも右ハンドルの設計だ。
鴻海のEV「モデルAプラス」(30日=中央社)
鴻海のEV設計モデルは計12車種となった。
鴻海のEV「モデルKプラス」。若年層向けで、手頃な価格設定となる(30日=中央社)
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