ニュース 公益 作成日:2026年11月5日_記事番号:T00131714
公営電力会社、台湾電力(台電、TPC)の曽文生・董事長は4日、AI(人工知能)などの電力需要の急拡大に備え、TPCと民間発電事業者(IPP)が今後10年で、天然ガス火力発電設備を計2600万キロワット(kW)増設する計画だと説明した。現在の台湾の電力負荷約3900万キロワットの60%に相当する規模だ。TPCは、現行の電力供給計画で需要に対応できるとみているが、AIの新たな応用が普及すれば、電力需要が急増する可能性もあると想定している。5日付経済日報などが報じた。

曽・董事長は、TPCは半導体業界に今後10年の工場建設計画や電力需要をヒアリングしたり、AIの演算能力拡大に伴う消費電力量を推計していると説明した。もし高機能ロボットなどAIの新たな応用が普及すれば、電力需要が急増する可能性があると指摘した。そのため、電力需要の予測期間を従来の5年から10~15年に延長するほか、環境影響評価(環境アセスメント)の早期着手や発電所の建設期間の短縮を進めると説明した。
経済部能源署(エネルギー署)が今年6月に発表した電力需給に関する報告書によると、台湾の2026年の消費電力量は2936億キロワット時(kWh)の見通しで、35年には3621億キロワット時まで、23%増加する予測だ。
曽・董事長は、統計によると、24年の建設中の発電設備で、台湾は中国、米国に次ぐ3位だったと説明した。台湾の主要火力発電所の8カ所のうち6カ所で、新たに発電設備を建設している。
AIデータセンターの建設地について曽・董事長は、発電所の近くが望ましいと語った。データセンターは特別高圧送電線を敷設する必要があり、送電距離が長いほど、整備の費用がかかり、電力損失が増えるためだ。
例えば、グーグルのデータセンターは彰化県の彰浜産業園区(彰浜工業区)にあり、再生可能エネルギーが豊富で、電力供給にも比較的余裕がある。もしグーグルが増設を望んだ場合、TPCに断る理由はないと語った。
■年間赤字700億元に拡大か
立法院(国会に相当)で4日、26年度の中央政府総予算の追加予算案の審議が行われた。TPCへの711億台湾元(約3400億円)の財政支援が盛り込まれている。
米国とイランの軍事衝突に伴うエネルギー価格上昇で、TPCの今年の天然ガス調達コストは1600億元以上増加する見込みで、TPCの今年の赤字は700億元を超える恐れがある。曽・董事長は、TPCは政府の物価抑制政策に協力し、民生用電力コスト750億元以上を負担したと説明した。
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