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台中MRT着工、2015年開通へ


ニュース 運輸 作成日:2009年10月8日_記事番号:T00018436

台中MRT着工、2015年開通へ

 
 総工費約514億台湾元(約1,430億円)を投じて建設される台中MRT(都市交通システム)の、烏日・文心・北屯線(緑線)の着工式が8日午前行われた。開通は2015年10月の予定。台中は、台北、高雄に次いで台湾で3番目のMRT路線を持つ都市となる。8日付経済日報などが報じた。
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台中MRTのくわ入れ式には馬総統(右4)、胡志強台中市長(右5)らが出席した。高鉄、高雄MRTと経営悪化が取りざたされる中、高額な予算を投じる建設に異論の声も出ている(8日=中央社)

 緑線は台中市北屯区から台湾高鉄鉄路(高鉄)台中駅のある烏日までの全長16.71キロメートルを結び、途中、台中新市政中心、文心路商圏、円満戸外円形劇場、四期、五期、七期、八期再開発区などを経由する。大部分で高架線路が採用され、計18駅が設けられる。

着工まで20年

 台中MRT建設計画は、1990年に台湾省政府の「住宅および都市発展処」によって立案されており、着工まで約20年かかった。

 同計画は、その後99年に交通部高速鉄路工程局が推進を担当することになり、04年に緑線建設が閣議で決定された。交通部は08年、後続の設計・施工を台北市政府に委託することを決め、同年末に交通部、台北市、台中市の三者によって計画への署名が行われた。

 着工を受けて、実際の建設を主導する台北捷運工程局は、機電システムの入札公告を行っており、台中市政府も今後、運営会社となる「台中都会区大衆捷運股份有限公司」の準備組織を来年元日に発足させる。

 台中MRTは緑線のほか、台中港路沿いに台湾鉄路(台鉄)台中駅や東海大学商圏を東西に結ぶ「藍線」、水ナン経貿園区(ナンはさんずいに南)から南投県南投市の学術研究都市「中興新村高等研究園区」を結ぶ橘線なども計画されている。

沿線の不動産、20%値上がりも

 同日付工商時報によると、MRT沿線となる文心路一帯の地域では、最近1カ月で地価が少なくとも30%急上昇している。

 また、台中県市の合併、直轄市への昇格というプラス要因も加わり、「今後MRT沿線地区では不動産価格が約20%上昇する可能性がある」との見方が不動産業界から出ている。

年37億元の赤字経営か

 なお、台北市捷運工程局が7日に開いた説明会では、民間団体から「計画は20年前のもので、台中地区の未来の需要に合致していない」として建設を延期すべきとの声も上がった。

 また交通大学土木系の黃玉霖副教授は、「開通後、交通部の予測するように1日延べ8、9万人の利用者があったとしても年間37億元の赤字経営となる」と指摘している。