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新ウルトラブック、台湾受託5社が来年量産


ニュース 電子 作成日:2011年9月16日_記事番号:T00032588

新ウルトラブック、台湾受託5社が来年量産

 インテルが開催中の開発者会議「インテル・デベロッパーズ・フォーラム(IDF)」で14日(現地時間)、薄型軽量ノートパソコンの新カテゴリー「ウルトラブック」に関連し、来年上半期に製品化予定の第3世代Coreプロセッサ「Ivy Bridge」(開発コード名)搭載の試作品が公開された。公開された6モデルはすべて台湾受託メーカー5社が設計・生産したもので来年中に量産を開始する見通しだ。タブレット型PCの人気、ヒューレット・パッカード(HP)がPC事業分離を検討するなどノートPC市場の先行きに不安感が高まる中、台湾サプライチェーンにとってもウルトラブックの成功が望まれる。16日付経済日報などが報じた。


インテルが公開したIvy Bridge搭載ウルトラブックの試作品。エデン副社長は「機能を犠牲にすることなく、ユーザーに自由な創作、コンテンツ体験を可能にする」と強調した(インテル提供) 

 今回公開されたIvy Bridgeプロセッサ搭載のウルトラブック試作機を手掛けたのは、▽広達電脳(クアンタ・コンピュータ)▽仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)▽和碩聯合科技(ペガトロン)▽鴻海科技集団(フォックスコン)▽英業達(インベンテック)−−の5社。全社が13.3インチモデルを設計・生産するほか、ペガトロンは14.1インチモデルも手掛ける。

「台湾は最重要パートナー」

 この日、講演を行ったインテルのムーリー・エデン副社長はウルトラブックについて、起動やネット接続の速さをうたい、クリスマスまでに発売される第2世代Coreプロセッサ「Sandy Bridge」搭載の第1弾製品に、さらにIvy Bridge搭載機種では個人識別機能など安全性を強化し、ウルトラブックを市場の主流に押し上げたい考えを示した。

 エデン副社長は、「液晶パネル、キーボード、バッテリー、筐体(きょうたい)、メモリーなどあらゆる面で技術革新が必要で、業界各社と力を合わせてはじめてウルトラブックの未来は開ける」とした上で、台湾のPC産業に言及し「パネル、メモリー、周辺部品など完全なサプライチェーンを備え、当社にとって最も主要な協力相手となる」と強調した。

 このほかインテルは、2013年には第3弾ウルトラブックとして、さらに新しい世代の省電力プロセッサ「Haswell」搭載製品の投入も計画している。同製品はネット接続を維持したままで10日間バッテリーが持続するようになるという。

第1弾ウルトラブック、既に量産

 なお業界関係者によると、台湾の受託メーカーが、Sandy Bridge搭載の第1弾ウルトラブックの量産を相次いで開始している。

 宏碁(エイサー)が先ごろ9月中に発売すると発表した「Aspire S3」は緯創資通(ウィストロン)が生産を手がけ、既に量産、小売店への出荷を開始している。

 華碩電脳(ASUS)が10月初めに発表予定の製品は、ペガトロンが受託生産し、既に出荷が始まっており、9月中に10万台に達する見込みだ。

 東芝の「PORTEGE Z830」はコンパル、クアンタが、レノボの「IdeaPad U300s」はコンパルが手掛けているもようだ。またHPのウルトラブックもクアンタが11月から量産に入るとされる。