ニュース 電子 作成日:2013年7月4日_記事番号:T00044570
華碩電脳(ASUS)は第2四半期のタブレット型パソコン出荷台数が200万台(速報値)で前期比33%減と、予想を大きく下回った。昨年発売したグーグルとダブルブランドの「ネクサス7」は199米ドルの超低価格で人気に火が付いたが、ASUSのブランド力を引き上げ同社全製品の販売を押し上げる効果は長続きしなかった。低価格タブレットPC製品が市場に多数出回り、利益確保も苦しくなる中、ASUSと宏碁(エイサー)は低価格部品への切り替えや、部品メーカーへの値下げ要請に乗り出している。4日付経済日報が報じた。
ASUSは8月11日まで台東県で開催中の熱気球イベントに協賛し、「PadFone」などが当たる抽選を実施している(同社リリースより)
ASUSの第2四半期タブレットPC出荷台数は当初260万~300万台の予想だったが、実際には昨年第2四半期以来で最低まで落ち込んだ。ノートPC出荷台数の速報値は400万台で前期比15%減と、従来予想の460万~500万台を下回り、過去2年で最低だった。同社は先日、今年のノートPC出荷目標を当初の2,000万~2,500万台から1,900万台に下方修正し、前年割れが確定的となった。
昨年第2四半期末の「ネクサス7」発表で、ASUSのタブレットPC出荷は同期の80万台から第3四半期に230万台まで急増し、第4四半期には300万台に達した。この成功でASUSブランドが勢いを増し、ノートPCなどその他製品の販売も大船に乗ったかのように見えた。一方で、「ネクサス7」の販売ではASUSの製品設計力、コスト力より、グーグルのブランド力が最も貢献したとの声が聞かれる。
市場観測によると、2代目「ネクサス7」が7月末に発売されるが、グーグルは昨年ほど宣伝に力を入れていない。同機種は初代を上回る価格設定となり、低価格の優位性を打ち出せない見通しだ。
「低価格以外に道なし」
低価格タブレットPC市場は、昨年発売の初代「ネクサス7」とアマゾン・ドット・コムの「キンドル・ファイアHD」が199米ドル、今年1月発売のエイサーの「アイコニアB1」が149米ドル、ASUSが6月に発売した「MeMO Pad HD 7」は129米ドルと、低価格化が進んでいる。ノーブランド、無名ブランドでは99米ドルの製品まで出ている。
ASUS、エイサーは利益を確保するため、まず今年発売の低価格タブレットPCからプロセッサーの調達先をクアルコムやエヌビディアから聯発科技(メディアテック)に切り替えた。液晶パネル、デジタルカメラ用レンズモジュールもコスト削減対象だ。
部品メーカー関係者は、ノートPC市場が低迷する中、低価格タブレットPCの多売しか進む道はないと話した。従来のノートPCは平均販売価格(ASP)が599~699米ドルで、タブレットPCなら同程度の利益を出すのに最低4~5台売らなければならない計算だ。
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