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コンビニ・夜市でも外貨両替、年内実現へ


ニュース 金融 作成日:2013年7月8日_記事番号:T00044627

コンビニ・夜市でも外貨両替、年内実現へ

 早ければ年内にもコンビニエンスストアや都市交通システム(MRT)駅、夜市(ナイト・マーケット)などで外貨両替が可能になる。中央銀行が設置場所の拡大などに向けた法改正を計画しており、外国人観光客にとって、特に銀行休業日の土日の街中や都市から離れた観光地で台湾元購入の利便性が高まる。夜市などからは中国人観光客の大きな需要が期待できるとして歓迎の声が上がっている。8日付蘋果日報などが報じた。


いつでも手軽に外貨を両替できるようになれば、観光客にとって夜市散策の魅力がさらに増すことだろう(YSN撮影)

 中銀は5日、「外貨両替所の設置および管理弁法」を改正すると表明した。外貨両替所が設置可能な場所は現在、観光ホテル、旅行会社、百貨店、国家風景区管理処など243カ所だが、これに▽MRT駅▽コンビニ▽ドラッグストア▽時計店▽慈善団体▽市場の自治組織▽テーマパーク▽芸術文化センター▽辺境にある景勝地近くの商店──などが加わる。香港のように10分も歩けば外貨両替所が見つかり、阿里山、太魯閣(タロコ)など地理的に不便な景勝地でも簡単に両替ができるようになる。

 中銀関係者は、中国人観光客から稼ごうと人民元を受け取る商店が少なくなく、外貨両替所の設置拡大で闇取引撲滅を図る目的もあると説明した。また、旅行ツアーガイドの一部が中国人観光客に対し人民元から台湾元に不透明なレートで両替し、為替差益で大もうけしている問題を挙げた。

上限は1万ドル・2万人民元

 外貨両替の上限は現在の1回当たり1万米ドルから変更しないが、人民元は今年2月の清算協定締結で1人1回2万人民元(約33万円)までに制限されており、外貨両替所での現金両替もこれに準じる。

 外貨両替所は、米ドル、ユーロ、日本円、人民元、香港ドルなどの通貨から台湾元への両替のみに限定され、銀行よりレートが劣るが、営業時間を自由に設定できるのが強みだ。中銀は、2四半期連続で両替業務を行わなかった、または4四半期連続で両替総額が5,000米ドルに届かなかった場合、台湾銀行(台銀)が委託免許を取り消すことができると注意を促した。

夜市は大歓迎

 外貨両替所の設置拡大に、特に中国人観光客が増えた夜市は歓迎ムードだ。台北市の有名夜市の一つ、台北市寧夏夜市観光協会の林定国総幹事は、3年前から待ち望んでいたと喜んだ。夜市は少額消費が多いがクレジットカードが使えず、土産物店や衣料店では高額消費もあるため、すぐに外貨両替ができれば商店の売上高が大幅に増えると期待を膨らませている。

 台中市の有名夜市、逢甲商圏管理委員会の王朝芸主任委員は、公式統計ではないが中国人観光客の2人に1人は逢甲夜市を訪れており、外貨両替所を設置できれば観光客、商店の「ウィンウィン」になると述べた。高雄市の六合国際観光夜市発展促進会の荘其章主任委員は「もろ手を挙げて賛成!」と表明し、今後、設置場所を検討する考えを示した。

 一方、ある旅行ガイドは、人民元は公定レートと闇レートが大差ないため中国人旅行ツアー客の大部分が空港で両替をしているが、一部の旅行会社は日本人ツアー客への闇両替でガイドの利益を確保していると指摘。外貨両替所の設置拡大は日本人ツアーガイドの収入減につながると話した。