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ASUSとエイサー、タブレット低価格戦略が奏功


ニュース 電子 作成日:2013年7月25日_記事番号:T00044969

ASUSとエイサー、タブレット低価格戦略が奏功

 市場調査会社、ウィッツビュー・テクノロジーの統計によると、第2四半期のタブレット型パソコン(7インチ以上)の世界市場シェアで、華碩電脳(ASUS)、宏碁(エイサー)がアマゾン・ドット・コムを抜いてそれぞれ3位(3.9%)、4位(3.6%)に食い込んだ。両社は7インチ機種の低価格戦略により、出荷台数が大幅に伸びた。一方、アップルは依然世界首位を維持しているもののシェアは過去最低(35.5%)に落ち込んだ。タブレットPCは製品の多様化により、消費者にとって選択の幅が広がっている。25日付工商時報などが報じた。

 第2四半期のタブレットPCの世界全体の出荷台数は約4,110万台、前期比12.4%減だった。非需要期だったことや、各ブランドの主力商品が新旧製品の端境期に当たったためだ。

 そうした中、低価格機種に注力するASUSとエイサーが出荷台数を大幅に伸ばした。ASUSの第2四半期出荷台数は約160万台で前期比60%増。同出荷台数にはグーグルとのダブルブランド「ネクサス7」が含まれていないものの、6月に発売した7インチの低価格機種「MeMO Pad HD 7」(129米ドル)がけん引した。エイサーの出荷台数は約150万台で同36%増だった。1月に7インチの「アイコニアB1」(149米ドル)、5月に7.9インチの「アイコニアA1」(169米ドル)を発売し、需要の掘り起こしに成功した。

 一方、出荷台数約1,460万で首位を維持するアップルは前期比で約25%減と対照的な結果となった。iPadやiPad miniの次世代機種の発売が控えていることもあり、販売が低迷していることが影響した。2位はサムスン電子でシェアは前期の20.2%から21.4%に拡大したものの出荷台数は880万台で小幅減だった。ASUSとエイサーは伸びたといっても両社の合計シェアは7.5%にすぎず、タブレット市場は依然アップルとサムスンの2強状態であることが分かる。

 ノーブランドおよび無名ブランドのシェアは23.5%で前期比7%減だった。ウィッツビューは、主要部品であるメモリーの値上げや供給不足で、コスト上昇と出荷不足に見舞われたことに加え、ASUSやエイサーなどの大手ブランドが低価格市場に参入し、シェアを奪われていると指摘。今後もこうした状況が続くとみられている。


新ネクサス7が24日発表され、既存機種よりさらに薄型軽量化した他、無線充電機能も搭載した(ASUSリリースより)

 第3四半期見通しについてウィッツビューの邱宇彬協理は、前期比21%増の4,960万台規模と予測した。第2四半期はアマゾン(約110万台、シェア2.7%)とグーグル(約70万台、同1.7%)は不調に終わったが、7インチの次世代機種の発売を控えていることや、注目が集まるアップルの第5世代iPad、PCブランドによるOS(基本ソフト)にアンドロイドを搭載した10.1インチ機種など新製品の出荷が見込まれるからだ。

【図】