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メディアテック、来年にも10コア製品


ニュース 電子 作成日:2014年7月25日_記事番号:T00051749

メディアテック、来年にも10コア製品

 25日付電子時報によると、IC設計最大手、聯発科技(メディアテック)とグーグルの関係者は、10個以上のコアを集積した携帯電話用のプロセッサソリューションを2015年にも発表すると話した。中国の第4世代(4G)移動通信規格対応スマートフォン市場で70%のシェアを握るクアルコムに、来年はメディアテックが競争を仕掛ける番となりそうだ。

 メディアテックは1年以上をかけ開発した8コアプロセッサで短期的には十分対応できるとみているが、中長期的にはソフトウエアの複雑化が進み、効率的に処理するためにさらなるマルチコア化が必須との見方だ。CPU(中央処理装置)とGPU(グラフィックスプロセッサ)がヘテロジニアス(異種混在)マルチコアで高効率、省電力を実現できれば、スマホ開発の可能性はますます広がる。

 同社は2013年に8コアプロセッサ「MT6592」が世界中のミドル~ハイエンドスマホに広く搭載され、成功を収めた。続いて、年内にも中国の携帯電話メーカーの需要に合う8コアプロセッサを投入する予定だ。

クアルコム、実質値下げか

 市場観測によると、クアルコムが中国で独占禁止法違反と認定され、制裁金10億米ドルが科されるとみられており、その場合には中国の携帯電話メーカーがメディアテックに発注先を変更する可能性がある。一方で、クアルコムが今後、顧客にライセンス料を要求しなくなる可能性があり、その場合は実質的な値下げとなるためメディアテックに不利に働く可能性も指摘されている。

 クアルコムはこのほど、第3四半期に量産する64ビットプロセッサを20米ドル以下の価格に設定したと観測されている。メディアテックの同規格製品より3割以上安い。

 中国は、聯想集団(レノボ)、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)、中興通訊(ZTE)、小米科技(小米、シャオミ)などのブランドが急速に台頭し、世界で最も重要なスマホ市場となっている。

ボーダフォン、4G機種に採用

 一方、メディアテックは4G対応マルチモードモデム「MT6290」とクアッドコア(4コア)「MT6582」がボーダフォンの自社ブランド入門機種「スマート4パワー」に採用された。本体価格は175ポンド(約3万円)。外資系証券会社は、4Gマルチモードモデムチップは7月に供給不足に陥っており、メディアテックは「MT6290」が4G出荷の60~70%を占め、今年の4Gチップ出荷は年初予想の1,500万セットを上回り2,000万セットに上ると予測した。

 他の同社4G対応製品は、8コア「MT6595」が8月に量産に入り、第3四半期に搭載製品が発売される見通しだ。64ビット「MT6732」、「MT6752」は第4四半期に量産、ハイエンド「MT6795」は年末に搭載製品が発売となる。

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