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高雄連続ガス爆発25人死亡、プロピレン漏れ原因か


ニュース 社会 作成日:2014年8月1日_記事番号:T00051893

高雄連続ガス爆発25人死亡、プロピレン漏れ原因か

 高雄市中心部で31日深夜から1日にかけて大規模な連続ガス爆発事故が発生し、中央災害対策センターのまとめによると1日正午までに住民など死者25人、負傷者267人を数える大惨事となった。現場では軍が出動して秩序の維持に当たっているが、復旧作業はまだ手付かずのままだ。張家祝経済部長は1日朝、爆発は極めて高い可燃性を持つプロピレンが漏れたことによって起きた可能性があるとの見方を明らかにしたが、詳しい原因は分かっておらず今後の解明が待たれる。


交流協会高雄事務所からもほど近い三多二路は、通行できなくなるほどに損壊した(ワイズコンサルティング撮影)

 現場は主に中山二路、三多路、凱旋路に囲まれた一帯で、台湾メディアの報道を総合すると、昨夜は午後8時40分ごろから一帯で強いガスの臭いが漂い出し、道路のマンホールから白煙や炎が上がる現象が見られた。そして午後11時57分ごろ、苓雅区の三多路と凱旋路の交差点で、大規模な爆発が起き、半径1.5キロメートルの家屋などで揺れを感じた。続いて翌1日にかけて三多路や一心路、凱旋路と一心路および二聖路との交差点、二聖路と和平路との交差点、中山路と民権路の交差点など10カ所前後で相次いで爆発が起きた。



凱旋路と二聖路の交差点の爆発地点では、炎がビルの15階の高さまで舞い上
がった(1日=中央社)

 三多路の爆発現場から1キロほど離れた場所に住むワイズコンサルテイング営業部南部担当の大坪豊は「寝ていたが花火のような『ドーン』という音で目が覚めた」と当時の衝撃を語った。

 大坪営業部員が1日正午ごろ三多二路に赴いたところ、道路中央に塹壕(ざんごう)のような長い穴ができており、自動車20〜30台がひっくり返ったり横転したりしていた。道路は穴だらけで、辺り一面にガソリンの臭いが立ち込め、まるで戦場のようだったという。台湾メディアによると、三多路の「塹壕」は長さ1.2キロに及ぶ。

 また、凱旋路もひどく損壊し、道路が大きく掘られたような状態となった。周辺では1日朝の時点で延べ2万3,600世帯でガス供給がストップ、1万2,000世帯が停電した。

 なお、交流協会高雄事務所によると、事故による日本人や日系企業の被害の情報は入っていないという。

高雄市政府は1日、前鎮区と苓雅区で公共機関と学校を休みとする措置(停班停課)を取った。

専門家は老朽化を指摘

 台湾科技大学化工系の劉志成享受は事故原因について、地下の石化製品の輸送管が老朽化してプロピレンが外部に漏れて引火したのではないかとの推論を述べるとともに、今後同様の事故が起こらないよう輸送管の全面的な点検が必要と提言した。

 徹夜で事態への対応に追われた陳菊高雄市長は、今後の再発防止に向けて住宅密集地では工業用輸送管の設置を避けるよう経済部工業局に検討を呼び掛けた。