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ペガトロン来年設備投資8億ドル、iPhoneの生産体制拡充


ニュース 電子 作成日:2014年12月22日_記事番号:T00054537

ペガトロン来年設備投資8億ドル、iPhoneの生産体制拡充

 電子機器の受託生産大手、和碩聯合科技(ペガトロン)と傘下の金属筐体(きょうたい)メーカー、鎧勝控股(ケーステック・ホールディングス)は、アップルが来年投入するとされるスマートフォン「iPhone6s」の生産に向け、来年の設備投資額をそれぞれ3億米ドル(今年比50%増)、5億500万米ドル(今年比5倍)に引き上げる計画だ。ペガトロンはこれまで生産拡大には慎重姿勢を取ってきたが、iPhone6シリーズ以降の人気を受けて生産体制を整える考えだ。22日付工商時報などが報じた。

 iPhone6sは、今年発売したiPhone6同様、4.7インチの「iPhone6s」、5.5インチの「iPhone6sプラス」に加え女性をターゲットに4インチ機種を復活させるとみられている。鴻海科技集団(フォックスコン)はiPhone6に続き5.5インチ機種を独占受注する見通しで、iPhone6sプラスにより多くの生産能力を振り分けるとみられる。これによりペガトロンは、鴻海と分け合っている4.7インチ機種の受注比率が今年の30%から50%へと拡大する見通し。このため、設備投資によって、来年末までに生産能力を今年比20~30%増やして対応する計画だ。

 また、iPhone6の筐体(きょうたい)は可成科技(キャッチャー・テクノロジー)が手掛けているが、ペガトロンの傘下企業であるケーステックが生産能力を拡充し、キャッチャーから受注を奪取するとみられている。ケーステックは、来年は設備購入に投資の重点を置くもようだ。

ウィストロン、iPhone受注か

 一方、供給不足が続くiPhone6について市場では、iPhone5シリーズなどを受注している緯創資通(ウィストロン)が鴻海、ペガトロンに次いで、組み立て受注を獲得したとの観測が浮上している。同社は「顧客や、特定製品については答えられない」としているが、中国の昆山工場(江蘇省)で生産し、来年第1四半期から出荷を始めるとされる。今のところiPhone6の受注比率は同機種全体の1桁とされるが今後受注増加が期待できるという。事実であればウィストロンの来年のスマホ出荷台数は2,300万~2,400万台と今年から倍増、売上構成比率は19%へと今年の11%から大幅な上昇が見込める。

 なお、モルガン・スタンレーの調査によると、今年第4四半期のiPhoneシリーズの世界販売台数は6,700万台に上り、四半期ベースで同シリーズの過去最高に達する見通しだ。iPhoneの最大市場である米国の成長率は他国・地域と大差はないが、第2市場である中国は新製品への需要が高く、成長率は世界の3倍以上となっている。また、来年通年のiPhoneの世界出荷台数は2億2,000万台と、今年の1億9,300万台から14%増が予測されている。

【表】