ニュース 電子 作成日:2015年7月7日_記事番号:T00057974
ギリシャ情勢の混迷を受け、パソコン大手ブランド、華碩電脳(ASUS)は6日、ギリシャ事務所の営業を即日休止し、同国へのノートPCやスマートフォンなどの出荷を停止すると発表した。ユーロの大幅下落など潜在的なリスクを回避する狙いだ。7日付経済日報などが報じた。
張盛和財政部長は、台湾の金融機関のギリシャに対するエクスポージャーは小さいため、ギリシャ国民が緊縮策を拒否しても台湾への影響は小さいと指摘した(中央社)
ASUSはギリシャの債務問題を受けて同国事業を休止した初の台湾ブランドとなった。
張偉明ASUS財務長は、同社のノートPC出荷のうちギリシャ向けは1%未満で、出荷停止による業績への影響は小さいと説明。出荷再開の時期は今後ギリシャ情勢が安定してから決めると話した。なお、張財務長は「欧州市場は既に底打ちしている」と述べ、ギリシャ債務問題が原因で今後さらに市況が悪化することはないとの見方を示した。
一方、PC大手の宏碁(エイサー)、スマートフォン大手の宏達国際電子(HTC)、ネットワーク機器大手の友訊科技(ディーリンク)などもギリシャ情勢を注視しているが、各社は今のところ同国での事業を休止する予定はない。3社はギリシャで代理店などを通じて製品を販売している。
エイサーは、ギリシャだけでなく欧州全体の動向に注意を払っていると説明した。ギリシャ向け出荷台数は少なく、売掛金も全て回収しているため、ギリシャ向けだけに出荷を停止することはないとした。
証券会社は、個人消費の落ち込みとマイクロソフトの次期OS(基本ソフト)「ウィンドウズ10」発売前の買い控えで、欧州のノートPC販売は年初来不振が続いているが、ギリシャ債務問題で需要がさらにしぼむ恐れがあると予想。ASUSとエイサーは為替変動、売掛金、在庫管理に注意する必要があると指摘した。
Q3需要期も不振か
市場調査会社、ウィッツビュー・テクノロジーの邱宇彬シニア研究協理も、ユーロの下落が続けば欧州消費者の購買意欲を削ぐことになり、例年の需要期である第3四半期に需要が盛り上がらず、ノートPCや液晶テレビなどの販売が打撃を受けると予想。特にノートPCへの影響は深刻で、欧州を重要市場とするASUSとエイサーの下半期業績に響くと懸念を示した。
台湾製造業に間接影響
鄧振中経済部長は、台湾の対ギリシャ輸出額は少なく、台湾企業による同国での大型投資案件もないので、ギリシャ問題が台湾にもたらす直接的な影響は小さいと指摘した。ただし、欧州全体の個人消費と政府支出に影響が出れば、間接的に台湾の対欧州輸出に響き、中でも▽集積回路▽携帯電話▽音響・映像(AV)機器▽光電材料▽ねじとナット──など製造業への影響が大きいと話した。
経済部国際貿易局(国貿局)によると、台湾とギリシャとの貿易額は昨年3億8,185万米ドルで、貿易額全体に占める割合はわずか0.065%だ。台湾にとってギリシャは66番目の貿易相手となる。一方、欧州連合(EU)加盟28カ国との貿易額は昨年509億6,322万米ドルで、台湾にとって5番目の貿易相手だ。
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