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台北のタクシー、10月に14%値上げへ


ニュース 運輸 作成日:2015年7月28日_記事番号:T00058384

台北のタクシー、10月に14%値上げへ

 大台北地区(台北市、新北市、基隆市)のタクシー料金が10月から約14%値上げする方向だ。台北市から新北市までタクシーで約15キロメートル移動した場合、距離だけの単純計算で運賃は413台湾元(約1,610円)へと現行より68元高くなり、移動コストが増加する。北部3市の値上げ方針を受け、台中市、台南市、高雄市でも追随するかを年内に協議する。28日付聯合報などが報じた。


運賃値上げでタクシーを頻繁に利用する人には痛い出費増となる(28日=YSN)

 北部3市のタクシー運賃値上げは2007年11月以来、約8年ぶりとなる。台北市公共運輸処によると、初乗り運賃(走行距離1.25キロ以内)は70元で据え置くが、「走行距離250メートルごとに5元」の加算運賃を200メートルごとに短縮する。また、渋滞や信号待ちなどで時速5キロ以下になった場合、1分40秒ごとに5元加算していたのを1分20秒ごとに短縮する。

 値上げ方針自体は今年1月末にまとまっていたが、正式な実施日が一向に決まらなかった。値上げ実施は交通部が計画する新型多機能タクシーメーターの導入が前提条件で、このメーターをいつ導入できるかが不明だったためだ。台北市公共運輸処は昨日ようやく、「新メーターが認証試験段階に入った」とめどが立った旨を発表した。

 値上げ時期が延々と決まらないことにしびれを切らせていたタクシー業界団体や運転手の意向もあり、台北市公共運輸処は先週、新北市、基隆市の交通局、タクシー業界団体、労働組合を再度集め、10月からの値上げ方針を決定した。8月15日に実施スケジュールを最終確認し、順調にいけば9月に公告を行う予定だ。

高雄市は様子見

 台中市のタクシー運転手組合、台中市計程車駕駛員職業工会の陳俊宏理事長は、同市のタクシー運賃は約10年間値上げしていないと指摘。値上げの是非が議題に上ったことはあるが、合意を形成できなかったという。北部3市の値上げ方針を受け、8月初めに再び協議を行い、追随するかを決めると話した。

 高雄市計程車商業同業公会の葉国栄理事長も、同市のタクシー運賃は既に7年間値上げしていないと説明した。高雄市と台南市は共通の運賃体系が適用されるため、両市での値上げの是非について年末に協議する予定だと語った。値上げしたいのやまやまだが、まずは北部3市での値上げ後の様子を1〜2カ月間観察するという。

 なお、桃園市はタクシー運賃を昨年値上げしたばかりのため追随しない方針だ。