ニュース 政治 作成日:2025年1月22日_記事番号:T00119737
立法院会(国会本会議)は21日、行政院が提出した2025年度の中央政府総予算案の審議で、歳出を前年比2.6%増の2兆9248億台湾元(約14兆円)へと、2075億元(6.6%)削減した上で承認した。過去10年の削減幅は220億~300億元(1.0~1.3%)だった。このほか、歳出予算の2600億元が凍結され、立法院の承認がなければ使用できなくなった。卓栄泰・行政院長(首相に相当)や頼清徳・総統は、これでは国家運営が困難になると主張した。多数野党の国民党と台湾民衆党は、血税の無駄遣いを監視することは立法委員の職責であり、削減・凍結後も歳出予算は過去最高だと反論した。22日付工商時報などが報じた。
卓・行政院長は21日、野党に対し、報復的な歳出予算削減はやめてほしいと呼び掛けた(21日=中央社)
頼・総統は21日、歳出予算の削減は例年の6倍以上、凍結は過去3年の平均の20倍だと指摘した。これでは停止を迫られる行政サービスが出てくると指摘。安定的な国家運営のため、野党に再考を依頼すると語った。
卓・行政院長は、野党の予算削減は特定の機関や項目に集中しており、政策の推進が遅れると指摘した。
■電力料金、値上げか
歳出の削減額が最も大きかったのは、公営電力会社の台湾電力(台電、TPC)への財政支援1000億元。経済部は以前、財政支援がなければ、家庭用電力料金を支えられず、値上げを迫られる可能性があると説明していた。
このほかには、中央行政機関の水道光熱費10%削減、行政院などの特別費60%削減、軍事装備や施設予算3%削減など。
■科学園区や国防部も対象
国家科学及技術委員会(国科会、NSTC)は、新竹科学園区(竹科、新竹サイエンスパーク)、中部科学園区(中科、中部サイエンスパーク)、南部科学園区(南科、南部サイエンスパーク)の三大科学園区の業務費の30%が凍結されたことで、科学園区の運営やサイバーセキュリティー対策などに支障が出ると指摘した。
また国科会は、設備と投資予算が6%削減されたことで、基礎研究や半導体、AI(人工知能)、温室効果ガスの実質排出ゼロ(ネットゼロ)などに影響が大きいと説明した。
国防部の柏鴻輝・副部長は、軍事装備や施設予算は、燃料や部品の補充に必要で、どうやって国家の安全を守るのかと疑問を呈した。
外交部の呉志中・政務次長は、外交部のメディア政策や広報費1億元余りが削減され、世界に台湾をアピールする資金がなくなれば、外交に深刻な打撃となると訴えた。
■経済成長以上の伸び幅
国民党の立法院党団(議員団)総召集人の傅崐萁・立法委員は、台湾の域内総生産(GDP)は3%成長なのに、予算案は10%近く増加していたと語った。
台湾民衆党の立法院党団総召集人の黄国昌・立法委員は、立法院の審査後も、歳出予算は2兆9000億余りで過去最高のため、政府機関の運営に支障は出ないはずだと主張した。
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