ニュース 政治 作成日:2025年6月26日_記事番号:T00122503
台湾有事政府は7月を「国家団結月」と定め、台湾軍による定例軍事演習「漢光」の実動訓練を7月9〜18日に実施するほか、各県市による民間の定例防空演習「万安演習」と防災訓練「民安演習」を統合した「城鎮靱性(都市レジリエンス)演習」を7月15、16、17日に台中市、台南市、台北市でそれぞれ実施する。ロシアによるウクライナ侵攻などを教訓に、台湾有事による市街戦も想定し、初めて大型量販店など商業施設と連携して大規模な避難訓練を実施するなど、実践的な訓練を取り入れる。26日付中国時報などが報じた。
2024年の万安演習では、7月22日に台中市大里区役所で地下室に避難する訓練が実施された(24年7月22日=中央社)
漢光演習は、政府が台湾全土で実施する防衛型作戦軍事演習で1984年から毎年行われ、今年は漢光41号。例年は陸海空軍などの実弾射撃演習を中心に、机上演習も実施されている。また、78年から各県市で毎年行われてきた防空演習の「万安演習」と、1年交代で県市ごとに実施されていた防災訓練「民安演習」は今年から「城鎮靱性(都市レジリエンス)演習」に統合して実施される。
今年の漢光演習は期間が10日間に延長され、予備役2万2000人を動員する。過去最大規模だ。例年は5日間だった。
城鎮靱性演習は4月から一部県市で順次実施された。7月は、▽台中市、7月15日、▽台南市、7月16日、▽台北市、7月17日──で実施する。
各県市では7月15〜18日に防空演習も実施する。▽7月15日、中部(台中市、苗栗県、南投県、彰化県、雲林県、嘉義県市)、▽7月16日、南部(台南市、高雄市、屏東県)、▽7月17日、北部(台北市、新北市、桃園市、新竹県市、宜蘭県)、▽7月18日、東部・離島(花蓮県、台東県、金門県、連江県、澎湖県)──。
午後1時30分〜2時に警報(サイレン)を鳴らし、携帯電話に警告メッセージを送るほか、演習時間中に歩行者の屋内退避や、車両の交通規制を実施する。
顧立雄・国防部長は、期間が延長された漢光41号演習について、グレーゾーン攻撃への対応、国土防衛、持久戦の訓練が含まれると指摘。予備役2万2000人の動員は、召集された隊員をすぐに作戦地域に移動させ、どれだけの時間で戦術的な配置ができるかどうかを検証すると説明した。
■市街戦想定のシナリオ
軍関係者は、今回の机上演習には、ウクライナでの経験が盛り込まれていると指摘。台湾が持久戦に突入すれば、市街戦の様相を呈する可能性があるとして、今回の演習では避難所の実動訓練も追加し、国防意識を喚起することを狙っていると説明した。
演習項目には、重要インフラが破壊された際に、いかにして救援活動を行い、水道や電力などの基本的なインフラを維持するかの訓練が含まれる。応急救護所を設置し、医療スタッフによる迅速な救命活動の訓練のほか、生活必需品の補給、配送、配布などの訓練も実施される。
さらに、民間業者の災害発生時の対応力を身につけるため、大型量販店など商業施設で避難訓練を実施する。戦争や大規模災害が発生した場合、量販店の売り場や地下空間を避難所や緊急医療スペースとして活用できるようにする。
関係者によると、漢光演習と城鎮靱性演習の統合により、警察署の「警政服務」アプリや消防署の「消防防災e點通」アプリをダウンロードを呼び掛け、緊急時にはアプリの指示に従い、最寄りの避難所へ迅速に誘導することを目標としている。
近く新版の「防空避難指針」を発表する予定で、避難の流れをよりよく理解して防災知識を増やしてもらい、生活必需品の一部として避難用バッグの準備を呼び掛ける。
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